2005年 12月 31日
線路設備の維持運用
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〔地下光ファイバケーブルのテンションメンバ〕
┌ケーブルの中心
テンションメンバの配置方法+ケーブル内に分散
└外被内に埋め込む
・テンションメンバの材料…鋼線、FRP(Fiber Re-inforced Polyethylene)、高強度繊維
(誘導による影響のおそれのある区間)…非金属のもの
・テンションメンバを配置し、ケーブルの許容張力を増大させることにより、ケーブル布設長の長尺化が可能
〔雷サージの対策〕
・通信用接地、電力用接地の接地間の電位差を無くすための等電位化対策が行われている
・架空の光ファイバケーブルは、雷害によるテンションメンバからの放電により、光ファイバが損傷を受けることがあるため、テンションメンバを接地バーに連接する
・ユーザ宅では、保安器を家屋側で接地することにより、雷サージの侵入を防ぐ方法が標準的に用いられている
(参考)雷サージの実態と対策
「雷サージの侵入を防ぎ、設備・機器の耐電圧を越える雷電圧が加わらないようにするためには、建物や機器および保安器の接地を連接し、等電位化することが効果的である。等電位化とは建物内の鉄筋・鉄骨や水道管、ガス管、金属製の煙突、設備・機器の金属ケースなどを接続して同じ電位にすることである。しかし、電源線や通信線は直接接続できないので保安器を介して接続することによって等電位化が可能となる。
通信ラインに光ファイバを用いることで通信側のサージは解消されるが、ケーブルのテンションメンバを十分な耐電圧で絶縁するかノンメタルテンションメンバとする必要がある。」
〔通信線への誘導妨害〕
●誘導妨害:電気鉄道や送電線の高電圧と通信線の間に大きな電位差がある場合、静電誘導による誘導雑音電圧により通信品質が劣化する現象
●異常時誘導縦電圧:送電線などの事故による地絡電流により、通信線に生ずる人体や機器に損傷を与える電磁誘導
・電気鉄道などの漏えい電流から通信線が誘導を受け、通信機器に誤作動が生ずる常時誘導縦電圧は15V、人体に影響を与える常時誘導危険電圧は60Vが制限値とされている
〔光ファイバ心線の保守及び接続点の補修〕
・光ファイバ端面の汚れによるWDM伝送等のコネクタ損傷(焼け)を防ぐため、高純度アルコールやコネクタクリーナによる端面清掃が行われる
・撤去された光ファイバケーブルを再利用する場合は、光ファイバケーブルの牽引時に外被補修部分が損傷する場合があるため、外被補修部分はあらかじめ取り除く必要がある
・接続点が浸水した場合は、光ファイバ心線の破断確率を抑制するため、浸水後一定期間内に乾燥させ、補修を行う必要がある
・ケーブルの外被を補修する際、PEテープを融着した後テーピングする方法は、熱により光ファイバ心線が劣化する場合があるため、テーピングのみによる方法で補修する
ピンホール→浸水→心線の絶縁不良による回線故障→長期間放置すると破断
光接続点の浸水検知は、光接続点に設置された浸水検知モジュール内の可動体により発生した光ファイバの曲げ損失をOTDRを用いて検出する
〔光ファイバケーブルの浸水防止対策〕
光ファイバは、長期にわたって進行する破断寿命の短縮と、金属腐食に伴い発生する水素による長期的な損失の増加を防ぐため、浸水対策を行う必要がある
┌ガス保守-ガス連続供給方式
浸水防止対策┤ ┌吸水によるダムの形成
└非ガス保守┤
└JFケーブルの使用
(従来から用いられているガス保守)
●ガス保守方式:メタリックケーブルのガス設備を共用し、メタリックケーブルのガス保守技術の実績を活用した方式
・ケーブル内部に大気圧より高い圧力の乾燥空気をガス区間の供給端から、一定の圧力で連続供給する
・ケーブル内の任意の各点を等圧かつ供給圧と等しくしておくことで、ピンホール等のガス漏えい孔が生じた場合は、ケーブル内に供給されているガスが漏えいし、内圧が低下する状態を監視し、ガス漏えい孔の位置を探索して、ケーブルの故障を防止する
・ケーブル外被や接続部分にピンホールが発生した場合でも、浸水を防止するとともにケーブル内の圧力を監視することにより、ピンホールが発生した場所を早期に発見することが可能
(非ガス保守)
・外被損傷の場合に、ケーブル外被から浸水した水を吸水材料が吸水して膨張し、ケーブル内にダムを形成することによって浸水を阻止する(WBケーブル)
・ジェリー等の防水材をあらかじめケーブルへ充てんし、外被損傷による浸水を防止する
・ケーブル外被の内側に高分子吸水剤を入れることにより、浸水時の浸水範囲を最小限にとどめる
・ケーブルの接続点に浸水を検知するための浸水検知センサが設置されており、接続部への浸水など異常を検知した場合に保守担当等へ警報を転送する機能を持っている
●ガス連続供給方式:乾燥空気供給装置からケーブル内へ常時乾燥した圧縮空気を約65.0±5.0kPaの圧力で自動的に供給する方式
・市外ケーブルと比較して、主にケーブル長が短く、ガス容量の小さい市内ケーブルに適用されている
・ガス封入ケーブルに漏洩孔が発生した場合、漏洩孔からの放出量とガス供給装置からの供給量が平衡状態に達するまで、供給点から漏洩点までのガス圧力は上昇する
\
↑ \ 故障点
流 \↓______ 平衡するまで圧力が上がる(流量が増える)のでそこから故障点が推定できる
量
〔ガス連続供給方式が適用できない場合〕
・引込みの対数が少なくPECケーブルが適用できない
・PECケーブルを適用できてもガス隔壁を作る場所がない
●JF(Jelly Filled)ケーブル:ケーブル内にゼリー状の混和物を充填したケーブル
・ケーブル内にゼリー状の混和物を充てんさせ、ケーブル内への水の浸入を防止し、ケーブルの信頼性の向上を図っている
〔CCP-JFケーブルを適用する場所〕
・ガス連続供給方式を適用できないビル
・集合住宅への引き込み等、比較的少対数で距離の短いルート
〔メタリックケーブルにおけるガス漏洩点の探索〕
●ガス永久封入方式
・乾燥度に優れた窒素ガス等を用いる
・主に伝送特性への要求が厳しい市外ケーブルに適用されている
・ガス封入ケーブルに漏えい孔が発生した場合、時間の経過とともに漏えい点付近で最も圧力の低い分布を示す
●ガス圧遠隔監視方式:ケーブルの接続点に一定の間隔で圧力発信器を封入する方式
・圧力発信器は、個々に固有周波数の応答回路を持ち、監視部からの信号に応答してガス圧力値を電気信号に変換し、監視部に送信する。送信されたデータを基にケーブルのガス圧傾斜図を作図し、ガス漏えい点を推測する
・ガス漏洩箇所でピンホールを探索する場合のピンホールの大きさ
直径0.05~0.10mm程度→石鹸液で発見できる
直径0.20mm以上→大きなガス放出音が発生するので、音でも発見できる
・浸水に伴う心線絶縁静電容量や反射減衰量の低下による回線故障を回避するため、ケーブル内への浸水を防ぐガス保守が用いられている
・類焼による設備の機能障害を防止するため、難燃性外被ケーブルの使用、若しくはケーブルにシート状の耐火材料を巻き付けるなどの措置を行う
・とう道内におけるケーブルの接続作業などでは、極力、火気を使用しない工法を適用する
・万が一、火災が発生しても建物内など他の施設へ延焼しないように、とう道と施設の境に防火壁の設置、若しくはこれに準ずる措置を講ずる
┌ケーブルの中心
テンションメンバの配置方法+ケーブル内に分散
└外被内に埋め込む
・テンションメンバの材料…鋼線、FRP(Fiber Re-inforced Polyethylene)、高強度繊維
(誘導による影響のおそれのある区間)…非金属のもの
・テンションメンバを配置し、ケーブルの許容張力を増大させることにより、ケーブル布設長の長尺化が可能
〔雷サージの対策〕
・通信用接地、電力用接地の接地間の電位差を無くすための等電位化対策が行われている
・架空の光ファイバケーブルは、雷害によるテンションメンバからの放電により、光ファイバが損傷を受けることがあるため、テンションメンバを接地バーに連接する
・ユーザ宅では、保安器を家屋側で接地することにより、雷サージの侵入を防ぐ方法が標準的に用いられている
(参考)雷サージの実態と対策
「雷サージの侵入を防ぎ、設備・機器の耐電圧を越える雷電圧が加わらないようにするためには、建物や機器および保安器の接地を連接し、等電位化することが効果的である。等電位化とは建物内の鉄筋・鉄骨や水道管、ガス管、金属製の煙突、設備・機器の金属ケースなどを接続して同じ電位にすることである。しかし、電源線や通信線は直接接続できないので保安器を介して接続することによって等電位化が可能となる。
通信ラインに光ファイバを用いることで通信側のサージは解消されるが、ケーブルのテンションメンバを十分な耐電圧で絶縁するかノンメタルテンションメンバとする必要がある。」
〔通信線への誘導妨害〕
●誘導妨害:電気鉄道や送電線の高電圧と通信線の間に大きな電位差がある場合、静電誘導による誘導雑音電圧により通信品質が劣化する現象
●異常時誘導縦電圧:送電線などの事故による地絡電流により、通信線に生ずる人体や機器に損傷を与える電磁誘導
・電気鉄道などの漏えい電流から通信線が誘導を受け、通信機器に誤作動が生ずる常時誘導縦電圧は15V、人体に影響を与える常時誘導危険電圧は60Vが制限値とされている
〔光ファイバ心線の保守及び接続点の補修〕
・光ファイバ端面の汚れによるWDM伝送等のコネクタ損傷(焼け)を防ぐため、高純度アルコールやコネクタクリーナによる端面清掃が行われる
・撤去された光ファイバケーブルを再利用する場合は、光ファイバケーブルの牽引時に外被補修部分が損傷する場合があるため、外被補修部分はあらかじめ取り除く必要がある
・接続点が浸水した場合は、光ファイバ心線の破断確率を抑制するため、浸水後一定期間内に乾燥させ、補修を行う必要がある
・ケーブルの外被を補修する際、PEテープを融着した後テーピングする方法は、熱により光ファイバ心線が劣化する場合があるため、テーピングのみによる方法で補修する
ピンホール→浸水→心線の絶縁不良による回線故障→長期間放置すると破断
光接続点の浸水検知は、光接続点に設置された浸水検知モジュール内の可動体により発生した光ファイバの曲げ損失をOTDRを用いて検出する
〔光ファイバケーブルの浸水防止対策〕
光ファイバは、長期にわたって進行する破断寿命の短縮と、金属腐食に伴い発生する水素による長期的な損失の増加を防ぐため、浸水対策を行う必要がある
┌ガス保守-ガス連続供給方式
浸水防止対策┤ ┌吸水によるダムの形成
└非ガス保守┤
└JFケーブルの使用
(従来から用いられているガス保守)
●ガス保守方式:メタリックケーブルのガス設備を共用し、メタリックケーブルのガス保守技術の実績を活用した方式
・ケーブル内部に大気圧より高い圧力の乾燥空気をガス区間の供給端から、一定の圧力で連続供給する
・ケーブル内の任意の各点を等圧かつ供給圧と等しくしておくことで、ピンホール等のガス漏えい孔が生じた場合は、ケーブル内に供給されているガスが漏えいし、内圧が低下する状態を監視し、ガス漏えい孔の位置を探索して、ケーブルの故障を防止する
・ケーブル外被や接続部分にピンホールが発生した場合でも、浸水を防止するとともにケーブル内の圧力を監視することにより、ピンホールが発生した場所を早期に発見することが可能
(非ガス保守)
・外被損傷の場合に、ケーブル外被から浸水した水を吸水材料が吸水して膨張し、ケーブル内にダムを形成することによって浸水を阻止する(WBケーブル)
・ジェリー等の防水材をあらかじめケーブルへ充てんし、外被損傷による浸水を防止する
・ケーブル外被の内側に高分子吸水剤を入れることにより、浸水時の浸水範囲を最小限にとどめる
・ケーブルの接続点に浸水を検知するための浸水検知センサが設置されており、接続部への浸水など異常を検知した場合に保守担当等へ警報を転送する機能を持っている
●ガス連続供給方式:乾燥空気供給装置からケーブル内へ常時乾燥した圧縮空気を約65.0±5.0kPaの圧力で自動的に供給する方式
・市外ケーブルと比較して、主にケーブル長が短く、ガス容量の小さい市内ケーブルに適用されている
・ガス封入ケーブルに漏洩孔が発生した場合、漏洩孔からの放出量とガス供給装置からの供給量が平衡状態に達するまで、供給点から漏洩点までのガス圧力は上昇する
\
↑ \ 故障点
流 \↓______ 平衡するまで圧力が上がる(流量が増える)のでそこから故障点が推定できる
量
〔ガス連続供給方式が適用できない場合〕
・引込みの対数が少なくPECケーブルが適用できない
・PECケーブルを適用できてもガス隔壁を作る場所がない
●JF(Jelly Filled)ケーブル:ケーブル内にゼリー状の混和物を充填したケーブル
・ケーブル内にゼリー状の混和物を充てんさせ、ケーブル内への水の浸入を防止し、ケーブルの信頼性の向上を図っている
〔CCP-JFケーブルを適用する場所〕
・ガス連続供給方式を適用できないビル
・集合住宅への引き込み等、比較的少対数で距離の短いルート
〔メタリックケーブルにおけるガス漏洩点の探索〕
●ガス永久封入方式
・乾燥度に優れた窒素ガス等を用いる
・主に伝送特性への要求が厳しい市外ケーブルに適用されている
・ガス封入ケーブルに漏えい孔が発生した場合、時間の経過とともに漏えい点付近で最も圧力の低い分布を示す
●ガス圧遠隔監視方式:ケーブルの接続点に一定の間隔で圧力発信器を封入する方式
・圧力発信器は、個々に固有周波数の応答回路を持ち、監視部からの信号に応答してガス圧力値を電気信号に変換し、監視部に送信する。送信されたデータを基にケーブルのガス圧傾斜図を作図し、ガス漏えい点を推測する
・ガス漏洩箇所でピンホールを探索する場合のピンホールの大きさ
直径0.05~0.10mm程度→石鹸液で発見できる
直径0.20mm以上→大きなガス放出音が発生するので、音でも発見できる
・浸水に伴う心線絶縁
静電容量や反射減衰量が小さくなってどんな不都合が生じるの?〔火災が発生するおそれがある場所に設置する屋外設備に対する防火対策〕
電線の構造が一定だったら、容量と比誘電率は比例するんじゃないの?
絶縁の比誘電率を小さくするために発泡ポリエチレンを使うんじゃないの?
浸水して電線の性能アップしたら業者ウハウハじゃないの?
反射減衰量が小さくなるってことは、ファイバの利得が大きくなってこれまたウハウハじゃないの?
・類焼による設備の機能障害を防止するため、難燃性外被ケーブルの使用、若しくはケーブルにシート状の耐火材料を巻き付けるなどの措置を行う
・とう道内におけるケーブルの接続作業などでは、極力、火気を使用しない工法を適用する
・万が一、火災が発生しても建物内など他の施設へ延焼しないように、とう道と施設の境に防火壁の設置、若しくはこれに準ずる措置を講ずる
by 9denki
| 2005-12-31 00:23
| 線路設備及び設備管理