2006年 01月 19日
光ファイバケーブルの伝送損失
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〔光ファイバの損失〕
┌レイリー散乱損失
┌固有の損失+吸収損失
| └構造不完全による損失
光損失┤
| ┌マイクロペンディングロス
└付加的損失+曲げ損失
└接続損失
●レイリー散乱損失:光ファイバ中の屈折率のゆらぎによって、光が散乱するために生ずる損失
・光ファイバのガラスが製造時に高温から急に室内温度程度まで冷やされるため、高温の時に生じた密度のゆらぎが、そのまま光ファイバ中に残留することが原因で起こる
・要因…光ファイバの製造時に急激な温度変化を受け、光ファイバのガラスの密度と組成に微小な変化部位を生ずるため
・光ファイバの製造上避けることができない
・光がその波長に比べて小さい物質に当たったときに散乱していろいろな方向に進んでいく
・レイリー散乱は波長の4乗に反比例する→光の波長が長くなるほど小さくなる(長波長帯で影響を受けやすい)
●吸収損失:光ファイバ中を伝わる光が、光ファイバ材料自身によって吸収され、熱に変換されることによって生ずる損失
・光ファイバに含まれる不純物による損失
┌紫外吸収
┌固有(SiO2)のもの┤
吸収損失┤ └赤外吸収
└他成分(不純物)によるもの
紫外吸収 赤外吸収
損失ピークの波長 0.1μm近く 10μm近く
・ガラスに含まれている不純物による吸収損失としては、当初は鉄イオン等の金属イオンが主であったが、現在では水酸化物イオン(OH-)が主なものとなっている
〔光ファイバ通信に使われている主な波長〕
・第1の窓…0.85μm近傍
・第2の窓…1.3μm近傍
・第3の窓…1.55μm近傍
●構造不均一による損失:コアとクラッドの境界面の凸凹により光が乱反射するために生じる損失
・微細な凹凸を持っているコアとクラッドの境界の不均一面で、光の伝搬モードが放射モードに変換されることによって生じる
●マイクロベンディングロス:光ファイバに側面から不均一な圧力を加えると、光ファイバの軸がわずかに曲がり、発生する損失
〔軽減する方法〕
・光ファイバの周りに緩衝層を持たせる
・光ファイバをパイプの中に入れる
●フレネル反射:接続部に微小な空隙が存在すると反射損失が生ずるが、この屈折率の異なる物質の境界面で起こる反射
●接続損失
┌接続技術の要因…光ファイバの軸ずれ、端面の不完全性
主な要因┤
└光ファイバ自身の要因…ファイバパラメータの違い
●曲げによる放射損失:光ファイバが曲げられると、コアとクラッドの境界面と光の伝搬方向との角度が変化して光ファイバ外に光が放射され生ずる損失
・曲げあるいは引張りなどのストレスが加わったまま使用すると、信頼性上問題となるため、光ファイバケーブルの潜在的な異常箇所を把握するための光学測定を実施する
・曲げ損失は、長い波長ほど損失が増加する
・一般的に、信号光として使用されている波長1.31μm、1.55μmによる測定以外に、短い波長の1.15μmで測定するOTDRを用いることにより、光ファイバケーブル区間で異常の発生箇所を確認する
この光ファイバの長手方向に加わっている伸び歪み分布をB(Brillouin)-OTDRを用いて測定することにより、光ファイバの破断に至る確率を推定できる。
[ANSL R&D Times 36]Topic1-1:光ファイバセンシング技術の概要
┌ブリルアン散乱光を応用したBOTDR方式(歪み分布、温度分布)
├レイリー散乱光を応用したOTDR方式(光損失分布、歪み、変位)
光ファイバセンサ+ラマン散乱光応用センサ(温度分布)
├ファイバグレーティング応用センサ(歪み、温度、変位、圧力)
└その他(赤外線等)
BOTDR方式とは・・
『光ファイバ片端から光パルスを入射したときに発生するブリルアン散乱光を受光して分析することによって光ファイバのひずみを連続的に計測する方式。ブリルアン散乱光の周波数分布はひずみ量に比例してシフトする性質を持つ。』
┌レイリー散乱損失
┌固有の損失+吸収損失
| └構造不完全による損失
光損失┤
| ┌マイクロペンディングロス
└付加的損失+曲げ損失
└接続損失
●レイリー散乱損失:光ファイバ中の屈折率のゆらぎによって、光が散乱するために生ずる損失
・光ファイバのガラスが製造時に高温から急に室内温度程度まで冷やされるため、高温の時に生じた密度のゆらぎが、そのまま光ファイバ中に残留することが原因で起こる
・要因…光ファイバの製造時に急激な温度変化を受け、光ファイバのガラスの密度と組成に微小な変化部位を生ずるため
・光ファイバの製造上避けることができない
・光がその波長に比べて小さい物質に当たったときに散乱していろいろな方向に進んでいく
・レイリー散乱は波長の4乗に反比例する→光の波長が長くなるほど小さくなる(長波長帯で影響を受けやすい)
●吸収損失:光ファイバ中を伝わる光が、光ファイバ材料自身によって吸収され、熱に変換されることによって生ずる損失
・光ファイバに含まれる不純物による損失
┌紫外吸収
┌固有(SiO2)のもの┤
吸収損失┤ └赤外吸収
└他成分(不純物)によるもの
紫外吸収 赤外吸収
損失ピークの波長 0.1μm近く 10μm近く
・ガラスに含まれている不純物による吸収損失としては、当初は鉄イオン等の金属イオンが主であったが、現在では水酸化物イオン(OH-)が主なものとなっている
〔光ファイバ通信に使われている主な波長〕
・第1の窓…0.85μm近傍
・第2の窓…1.3μm近傍
・第3の窓…1.55μm近傍
●構造不均一による損失:コアとクラッドの境界面の凸凹により光が乱反射するために生じる損失
・微細な凹凸を持っているコアとクラッドの境界の不均一面で、光の伝搬モードが放射モードに変換されることによって生じる
●マイクロベンディングロス:光ファイバに側面から不均一な圧力を加えると、光ファイバの軸がわずかに曲がり、発生する損失
〔軽減する方法〕
・光ファイバの周りに緩衝層を持たせる
・光ファイバをパイプの中に入れる
●フレネル反射:接続部に微小な空隙が存在すると反射損失が生ずるが、この屈折率の異なる物質の境界面で起こる反射
●接続損失
┌接続技術の要因…光ファイバの軸ずれ、端面の不完全性
主な要因┤
└光ファイバ自身の要因…ファイバパラメータの違い
●曲げによる放射損失:光ファイバが曲げられると、コアとクラッドの境界面と光の伝搬方向との角度が変化して光ファイバ外に光が放射され生ずる損失
・曲げあるいは引張りなどのストレスが加わったまま使用すると、信頼性上問題となるため、光ファイバケーブルの潜在的な異常箇所を把握するための光学測定を実施する
・曲げ損失は、長い波長ほど損失が増加する
・一般的に、信号光として使用されている波長1.31μm、1.55μmによる測定以外に、
まず基本的に一般的な光ファイバの曲げ損失は長波長なほどモードフィールドが広がるため曲げ損失が大きくなります。・光ファイバの曲げによる放射損失とは、光ファイバが曲げられると生じる損失であり、曲げられた光ファイバ中では臨界角を超える角度となる光が一部透過するために発生する。
OTDRで使用する試験光は一般的に1.55μm、1,31μmが使用されていますが、通信システムを運用中に試験するような場合は通信に影響を与えないように信号光と異なる波長を用います。このため1.65μmを試験光に選ぶ場合があります。
95 線路:H10.1st.Q5.(ク)@光ファイバの曲げによる放射損失 g@kko E-mail URL 1/5-00:21・表面に細かい傷がある光ファイバは、引張り応力が加わり、ある程度の歪みが発生していると、その傷が成長し突然破断に至る場合がある。
早速、
<問題>
光ファイバの曲げによる放射損失とは、光ファイバが曲げられると生じる損失であり、曲げられた光ファイバ中では[(ク)]ために発生する。
<回答群>
(1)入射角を超える角度となる光が反射される
(2)反射角を超える角度となる光が全反射される
(3)屈折角未満の角度となる光が乱反射される
(4)臨界角未満の角度となる光が一部透過する
(5)屈折角を超える角度となる光が吸収される
(6)臨界角を超える角度となる光が一部透過する
問題集の回答は(4)臨界角未満の角度となる光が一部透過する
と、なっていますが、
解説では、
「曲がり損失とは曲率半径が小さく曲げられた光ファイバ内では、コアとクラッドの境界面に入射する光の角度が、臨界角より大きくなる場合に生じる。」
と、書いてあり、答えは(6)のように受け取れます。
また、自分の(自分なりの)理解としても、
反射モード(全反射)<臨界角θc<放射モード
で、答えは(6)のような気がします。
96 Re:線路:H10.1st.Q5.(ク)@光ファイバの曲げによる放射損失 浅瀬野 URL 1/6-01:54
浅瀬野です。考えたのですが、設問者はどの角度が入射角なのかを定義していないように思えます。教科書によってばらばらなのですが、一般的には入射角は媒質平面の法線(直角方向)に対して定義されています。
また、入射角=反射角、一部の透過というキーワードから考えると法線に対しての入射角であれば(4)、平面を基準にした角度(余角)から考えると(6)になります。
要は基準をどちらに取るかで変わってくるということですね。_(^^;)むずかしー
教科書A:法線、B法線、C平面基準・・とありますが物理の教科書を参照しても、法線基準でした。
よって、試験では角度が大きくなると全反射するという定義がなされてるんだと思います。
で、解説者は設問と逆パターンで解説してしまったという理工出版お得意の解答例だと思います。
97 ありがとうございます。 g@kko E-mail URL 1/7-11:07
謎はすべて解けました。
私が持っている本と参考資料は両方とも「平面基準」になっていました。
「法線基準」がスタンダードなんですね。本に追記修正しました。
問題集を新しい方から古い方へ順にやっているんですが、、
古い問題は、「当時の技術基準」で、考えないといけない部分もあってかなり、混乱しますね。。。(苦笑)
この光ファイバの長手方向に加わっている伸び歪み分布をB(Brillouin)-OTDRを用いて測定することにより、光ファイバの破断に至る確率を推定できる。
[ANSL R&D Times 36]Topic1-1:光ファイバセンシング技術の概要
┌ブリルアン散乱光を応用したBOTDR方式(歪み分布、温度分布)
├レイリー散乱光を応用したOTDR方式(光損失分布、歪み、変位)
光ファイバセンサ+ラマン散乱光応用センサ(温度分布)
├ファイバグレーティング応用センサ(歪み、温度、変位、圧力)
└その他(赤外線等)
BOTDR方式とは・・
『光ファイバ片端から光パルスを入射したときに発生するブリルアン散乱光を受光して分析することによって光ファイバのひずみを連続的に計測する方式。ブリルアン散乱光の周波数分布はひずみ量に比例してシフトする性質を持つ。』
by 9denki
| 2006-01-19 18:00
| 線路設備及び設備管理