2006年 04月 29日
一様線路の電気的諸定数
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●一様線路:理想化された線路として往復2導体が均一な媒質の空間にあり、長さ方向のどこをとっても線路特性が一様で、その線間距離が線路長と比較して極めて小さい線路
フェランチの現象:一様線路において終端を短絡した場合、「終端の電流>始端の電流」となる現象
・特に損失のない減衰定数αが0の線路においては、線路を1/4波長の奇数倍の位置で短絡して終端させたとき、この現象は極度に起き、このとき線路は共振しているといわれる
●一次定数:これらの四つの記号で表される電気的定数
・ケーブルを構成する材料の特性、構造から決まる基本的な特性値
(直列的な要素)R:導体自体の抵抗、L:導体に生ずる磁束により電流の流れを阻止しようとするインダクタンス
(並列的な要素)C:導体間の絶縁体を介して存在する静電容量、G:導体間の漏えい電流に対する漏えい抵抗(逆数をとって漏えいコンダクタンス)
●二次定数:1次定数から導かれる伝送特性を表す特性値
伝搬定数γ:無名数=√(R+jωL)×(G+jωC)=α+jβ
特性インピーダンスZ0=√(R+jωL)/(G+jωC)=|Z0|e^jφ
α:減衰定数:伝送される信号の波の減衰の程度
β:位相定数:位相角の変化を示す量
ω:伝送波の角周波数 φ:特性インピーダンスの偏角
・二次定数は周波数特性があり、30kHz以上の高周波の場合、α及びβは次式で近似できる
α≒R/2√C/L+G/2√L/C
β≒ω√LC
※ここでインダクタンスL、静電容量Cはほとんど変化しないが、抵抗Rは表皮効果により周波数fの平方根に比例して大きくなり、αも同様に大きくなる
※R=G=0の場合、減衰量、減衰ひずみとも0となる
・線路長を無限大とした場合、一様線路の任意の点における電圧V、電流Iを2次定数で表せば次式となる
V=Ae^-γx
I=Ae^-γx/Z0
A:端末条件により定まる積分定数
この二つの式より、入力インピーダンスZ=V/I=Z0
→線路上の距離Xにおける入力インピーダンスZは、距離に無関係に特性インピーダンスZ0に等しくなる
特性インピーダンスZ0:無限に延びた一様線路の任意の点におけるインピーダンス
装荷:減衰量を小さくする方法
・一次定数がすべての周波数に対して一定
・減衰定数αが周波数に無関係、位相定数βが周波数に比例
・減衰量最小条件:RC=GL→減衰定数αが最小となり、α=√RG=R√C/L、β=√R/G、偏角=0
・一般に√R/G≫√L/C→Lを増加させることによって近づける
〔平衡対ケーブルにおける線路一次定数と周波数との関係〕
・導体抵抗は、音声周波数帯域では直流抵抗とほとんど変わらないが、周波数が高くなると、表皮効果、近接効果、他導体や遮へい体中の渦電流により増加する
・導体抵抗値は、温度が高くなるほど大きくなる
遮へい係数:遮へい層がない場合とある場合の心線と大地間に発生する誘起電圧の比
・磁性材料の磁化特性は非直線性なので、誘導電圧や周波数で変化する
・アルミニウム外被などの導電体に流れる電流による磁束は、鋼帯などの磁性層に鎖交し、逆誘起電圧を発生させて心線への誘起電圧を軽減させる効果がある
・高周波になるほど、
心線表面→電流密度が大きくなる
心線内部→電流密度が小さくなる
→導体の実効断面積が減り実効抵抗が増える
「円筒導体に流れる電流は直流なら導体断面に一様に分布しますが、周波数の増加と共に導体表面に集中し、内部の電流密度が減る現象は「表皮効果」(skin effect)として、よく知られています。
表皮効果の結果として、導体の実効断面積が減少し、交流抵抗が増加しますから、コイル巻線では周波数の上昇と共に導体損失が増え、「Q」(Quality factor - 品質)が低下します。」
・加入者ケーブル線路における直流抵抗制限は、交換機の動作に必要な電流を確保するために設定され、設備センタに設置されている交換機の種類により、1,000[Ω]から1,500[Ω]程度であるが、心線径が太い0.9[mm]のケーブルを用いる場合は、交換機側で装荷線輪を挿入することにより直流抵抗制限を緩和する対策が採られている
一次定数 低周波帯域 高周波数帯域
L 周波数が高くなるほど減少
C 周波数に比例 一定
R 周波数に比例
G 周波数に比例
|Z0| 周波数に比例 周波数に反比例
減衰量 √fに比例
位相角 √fに比例 30KHz以上ではfに比例し、偏角φは-π/4[rad]に近づく
・音声周波数程度の低周波数帯域において、特性インピーダンス|Z0|は周波数に比例して増加し、減衰量も周波数√fに比例し増加する
・位相角は低周波数帯域において√fに比例して増加し、30KHz以上ではfに比例しその偏角φは-π/4[rad]に近づく
・インダクタンスは、音声周波数帯域では、特性インピーダンスなど二次定数への影響は少ない
・静電容量は、音声周波数帯域では、導体抵抗とともに二次定数を決める重要な定数であり、導体直径、導体間隔、絶縁体の誘電率などから求められる
周波数が高くなるほど大きくなる
●複合線路:特性インピーダンス及び伝搬定数の異なる二つ以上の一様線路を縦続接続してできた線路
・一様線路の考え方を基本に、位置角の考え方を導入することにより容易に解析できる
特性インピーダンス:Z0、伝搬定数:γ、終端からxの位置におけるインピーダンス:Zx、受端インピーダンス:Z2
Z2における位置角θ2
位置角θx=γx+θ2と表されることから、Zx=Z0tanhθx=Z0tanh(γx+θ2)
〔複合線路における反射〕
・複合線路で特性インピーダンスの不整合点が存在する場合、その不整合点で信号が反射する
・接続点では、伝搬される信号の一部は透過し、一部は反射するという現象が生ずる
・多数の接続点を持つ複合線路では、接続点において信号の繰り返し反射を生ずる
●伴流:偶数回の反射により受端に現れる波
●逆流(続流):奇数回の反射により送端に戻る波
●伴流係数(続流係数)及び逆流係数=これらと主信号との比
(参考)実習で学ぶ高周波回路技術 2. 高周波回路概要
「 特性インピーダンスの異なる線路を接続した際、接続点において入力信号の一部が入力側に反射して、見かけ上の伝送損失が増加します。複数の線路が接続され、接続点が複数存在する場合、それぞれの接続点において反射が生じます。反射が奇数回発生した場合の反射波は送信側に戻り、偶数回発生した場合の反射波は受信側に進みます。送信側に戻る反射波を逆流、受信側に進む反射波を続流(伴流)といいます。
反射の大きさは、入力波の電圧(Vi)と反射波の電圧(Vr)の比で表し、これを電圧反射係数(Γ)といい、Γ=Vr/Viの式で表します。」
・線路の端末が開放されている場合
擬似的に複合線路の受端側の特性インピーダンスが∞であるとみなされることから、入射波とほぼ同じ大きさの反射波が発生する
電圧…入射波と同位相でほとんど全部反射される
電流…入射波と逆位相でほとんど全部反射される
・受端が短絡されたとき、受端側の特性インピーダンスが0に近くなり、反射は起こる
・複合線路における反射現象は、一般に短い波長ほど反射が生じやすい
→周波数が高くなるに従い、わずかな特性インピーダンスの不整合でも反射が発生しやすくなる
●反射係数m:反射波の大小を表す係数=反射波の大きさ/入射波の大きさ
-1≦m≦1 m=0:反射が発生しない条件
●電圧反射係数m=反射電圧/入射電圧
●電流反射係数=反射電流/入射電流=-m
●電圧透過係数=透過電圧/入射電圧=1+m
●電流透過係数=透過電流/入射電流=1-m
●逆流減衰量:反射電圧が入射電圧に対してどれだけ減衰して発生しているかを表したもの=-20log|m|
●反射減衰量=10log(1/1-m^2)
・伝送路の減衰特性=出力信号パワーPn+1/入力信号パワーPn
Pn+1/Pn=e^-2θnで表すと、指数部のみの足し算ですみ、実用上便利
多数の通信装置とケーブルがシリーズに接続された伝送路の総合減衰特性
=P2/P1・P3/P2・P4/P3…Pn+1/Pn=e^-2(θ1+θ2+θ3+…+θn)
・伝達量θ=複素数(実数部:減衰量あるいは伝送損失[ネーパNp]+虚数部:位相角[rad]又は度[°])
特に減衰量は=20log10eとして単位にデシベル[dB]が用いられている
(参考)電気回路 2005 No.23 dBm:通信電力の絶対値を1mWを基準として表すときの伝送単位
例)1mW=0dBm、1W=30dBm
相対レベル(dBr):伝送系の注目する点と伝送系の基準点とにおける信号の電力比を伝送単位で表した値
dBm0:伝送系の注目する点における信号電力を相対レベル0の点に1mWの信号を加えたものを基準として表す際の単位
フェランチの現象:一様線路において終端を短絡した場合、「終端の電流>始端の電流」となる現象
・特に損失のない減衰定数αが0の線路においては、線路を1/4波長の奇数倍の位置で短絡して終端させたとき、この現象は極度に起き、このとき線路は共振しているといわれる
●一次定数:これらの四つの記号で表される電気的定数
・ケーブルを構成する材料の特性、構造から決まる基本的な特性値
(直列的な要素)R:導体自体の抵抗、L:導体に生ずる磁束により電流の流れを阻止しようとするインダクタンス
(並列的な要素)C:導体間の絶縁体を介して存在する静電容量、G:導体間の漏えい電流に対する漏えい抵抗(逆数をとって漏えいコンダクタンス)
●二次定数:1次定数から導かれる伝送特性を表す特性値
伝搬定数γ:無名数=√(R+jωL)×(G+jωC)=α+jβ
特性インピーダンスZ0=√(R+jωL)/(G+jωC)=|Z0|e^jφ
α:減衰定数:伝送される信号の波の減衰の程度
β:位相定数:位相角の変化を示す量
ω:伝送波の角周波数 φ:特性インピーダンスの偏角
・二次定数は周波数特性があり、30kHz以上の高周波の場合、α及びβは次式で近似できる
α≒R/2√C/L+G/2√L/C
β≒ω√LC
※ここでインダクタンスL、静電容量Cはほとんど変化しないが、抵抗Rは表皮効果により周波数fの平方根に比例して大きくなり、αも同様に大きくなる
※R=G=0の場合、減衰量、減衰ひずみとも0となる
・線路長を無限大とした場合、一様線路の任意の点における電圧V、電流Iを2次定数で表せば次式となる
V=Ae^-γx
I=Ae^-γx/Z0
A:端末条件により定まる積分定数
この二つの式より、入力インピーダンスZ=V/I=Z0
→線路上の距離Xにおける入力インピーダンスZは、距離に無関係に特性インピーダンスZ0に等しくなる
特性インピーダンスZ0:無限に延びた一様線路の任意の点におけるインピーダンス
装荷:減衰量を小さくする方法
装荷線輪は、まだ増幅器が無い時代の長距離回線で使っていた遺物だよ。〔一様線路における無ひずみ伝送条件〕
分布定数回路理論を実線路に適用した場合、損失と歪を最低にするためには、L分が不足する。
それを補うために、分布定数的なLではなく、集中定数的なLをある一定間隔で挿入して、等価的にL分を大きくするのが装荷線輪(coil loading)の役割。
装荷→ローディング(loading)の訳語
線輪→コイル(coil)の訳語
と考えれば分かりやすいと思う。
・一次定数がすべての周波数に対して一定
・減衰定数αが周波数に無関係、位相定数βが周波数に比例
・減衰量最小条件:RC=GL→減衰定数αが最小となり、α=√RG=R√C/L、β=√R/G、偏角=0
・一般に√R/G≫√L/C→Lを増加させることによって近づける
〔平衡対ケーブルにおける線路一次定数と周波数との関係〕
・導体抵抗は、音声周波数帯域では直流抵抗とほとんど変わらないが、周波数が高くなると、表皮効果、近接効果、他導体や遮へい体中の渦電流により増加する
・導体抵抗値は、温度が高くなるほど大きくなる
遮へい係数:遮へい層がない場合とある場合の心線と大地間に発生する誘起電圧の比
・磁性材料の磁化特性は非直線性なので、誘導電圧や周波数で変化する
・アルミニウム外被などの導電体に流れる電流による磁束は、鋼帯などの磁性層に鎖交し、逆誘起電圧を発生させて心線への誘起電圧を軽減させる効果がある
・高周波になるほど、
心線表面→電流密度が大きくなる
心線内部→電流密度が小さくなる
→導体の実効断面積が減り実効抵抗が増える
表皮効果:周波数が高いほど導体の表面に電流が集中する現象。(参考)表皮効果とリッツ線
周波数が高くなるほど、導体内部に電流は流れなくなるよ。
高性能の無線用同軸ケーブルでは、芯線をパイプ状にしているものもある。
(電流がほとんど流れない中心部は要らないし、ケーブルも軽く、柔らかくできる)
「円筒導体に流れる電流は直流なら導体断面に一様に分布しますが、周波数の増加と共に導体表面に集中し、内部の電流密度が減る現象は「表皮効果」(skin effect)として、よく知られています。
表皮効果の結果として、導体の実効断面積が減少し、交流抵抗が増加しますから、コイル巻線では周波数の上昇と共に導体損失が増え、「Q」(Quality factor - 品質)が低下します。」
・加入者ケーブル線路における直流抵抗制限は、交換機の動作に必要な電流を確保するために設定され、設備センタに設置されている交換機の種類により、1,000[Ω]から1,500[Ω]程度であるが、心線径が太い0.9[mm]のケーブルを用いる場合は、
古い資料だと、加入者線の制限抵抗は600~1500Ω以下らしい。・一次定数と周波数の関係
でだ、0.9mmは自分の知ってるCCPの中では一番太い。
0.32、0.4、0.5、0.65、0.9のようだ。「太い」というヒントも問題文中に書かれている。
当然、太いのだから直流抵抗は一番小さいわけで何をしても直流抵抗が緩和されるはずもない。
一次定数 低周波帯域 高周波数帯域
L 周波数が高くなるほど減少
C 周波数に比例 一定
R 周波数に比例
G 周波数に比例
|Z0| 周波数に比例 周波数に反比例
減衰量 √fに比例
位相角 √fに比例 30KHz以上ではfに比例し、偏角φは-π/4[rad]に近づく
・音声周波数程度の低周波数帯域において、特性インピーダンス|Z0|は周波数に比例して増加し、減衰量も周波数√fに比例し増加する
・位相角は低周波数帯域において√fに比例して増加し、30KHz以上ではfに比例しその偏角φは-π/4[rad]に近づく
・インダクタンスは、音声周波数帯域では、特性インピーダンスなど二次定数への影響は少ない
・静電容量は、音声周波数帯域では、導体抵抗とともに二次定数を決める重要な定数であり、導体直径、導体間隔、絶縁体の誘電率などから求められる
音声周波程度の低周波帯域では自己インダクタンスは周波数が増加するほど減少し、静電容量は増加する。・漏えいコンダクタンス=1/絶縁抵抗
高周波帯域になると静電容量は一定になり、自己インダクタンスは周波数が高くなるほど減少する。
周波数が高くなるほど大きくなる
コンダクタンスは周波数に関わらず一定〔複合線路〕
コンダクタンスは電気抵抗の逆数なので周波数に関係なく一定で周波数で変化するのはサセプタンスだと思うが。
Gは分布定数回路では漏れコンダクタンスのこと。
今は平衡対ケーブルの一次定数のことを言ってる。普通の電気回路では無い。
●複合線路:特性インピーダンス及び伝搬定数の異なる二つ以上の一様線路を縦続接続してできた線路
・一様線路の考え方を基本に、位置角の考え方を導入することにより容易に解析できる
Z2における位置角θ2
位置角θx=γx+θ2と表されることから、Zx=Z0tanhθx=Z0tanh(γx+θ2)
〔複合線路における反射〕
・複合線路で特性インピーダンスの不整合点が存在する場合、その不整合点で信号が反射する
・接続点では、伝搬される信号の一部は透過し、一部は反射するという現象が生ずる
・多数の接続点を持つ複合線路では、接続点において信号の繰り返し反射を生ずる
●伴流:偶数回の反射により受端に現れる波
●逆流(続流):奇数回の反射により送端に戻る波
●伴流係数(続流係数)及び逆流係数=これらと主信号との比
(参考)実習で学ぶ高周波回路技術 2. 高周波回路概要
「 特性インピーダンスの異なる線路を接続した際、接続点において入力信号の一部が入力側に反射して、見かけ上の伝送損失が増加します。複数の線路が接続され、接続点が複数存在する場合、それぞれの接続点において反射が生じます。反射が奇数回発生した場合の反射波は送信側に戻り、偶数回発生した場合の反射波は受信側に進みます。送信側に戻る反射波を逆流、受信側に進む反射波を続流(伴流)といいます。
反射の大きさは、入力波の電圧(Vi)と反射波の電圧(Vr)の比で表し、これを電圧反射係数(Γ)といい、Γ=Vr/Viの式で表します。」
・線路の端末が開放されている場合
擬似的に複合線路の受端側の特性インピーダンスが∞であるとみなされることから、入射波とほぼ同じ大きさの反射波が発生する
電圧…入射波と同位相でほとんど全部反射される
電流…入射波と逆位相でほとんど全部反射される
・受端が短絡されたとき、受端側の特性インピーダンスが0に近くなり、反射は起こる
・複合線路における反射現象は、一般に短い波長ほど反射が生じやすい
→周波数が高くなるに従い、わずかな特性インピーダンスの不整合でも反射が発生しやすくなる
短い波長→周波数が高い〔反射の諸特性〕
線路インピーダンスは周波数が高くなるとXC・XLが無視できなくなる。
反射は線路と負荷(終端)とのインピーダンスの差で発生する。
周波数が高くなるとインピーダンスの整合がとれにくくなるので反射が発生する。
この度合いを示したものが反射係数だな。
●反射係数m:反射波の大小を表す係数=反射波の大きさ/入射波の大きさ
-1≦m≦1 m=0:反射が発生しない条件
●電圧反射係数m=反射電圧/入射電圧
●電流反射係数=反射電流/入射電流=-m
●電圧透過係数=透過電圧/入射電圧=1+m
●電流透過係数=透過電流/入射電流=1-m
●逆流減衰量:反射電圧が入射電圧に対してどれだけ減衰して発生しているかを表したもの=-20log|m|
●反射減衰量=10log(1/1-m^2)
この「逆流減衰量」なる用語が実際に存在するのかどうかは知らないが。〔伝送量の単位〕
逆流≒反射波 の意味と想像し、普通にいうところのS11より求める「リターンロス」のことと解釈すると、-20log|m| または負号を除いて 20log|m|になるだろう。
電圧(電流もだが)は電力換算するので-10log|m^2|=-20log|m|となる。
電流反射係数-m=Z2-Z1/Z2+Z1←マイナスがつく
電圧反射係数m=Z2-Z1/Z2+Z1←マイナスがない
逆流減衰量 -20log|m|←マイナスがつく
反射減衰量 10log1/1-m^2←マイナスがつかない
負荷に供給される電力と最大供給電力との比を『反射損』または『不整合損失』といい、反射損mは『m=1/1-m^2(mは電圧反射係数)』と表される。
これの対数表示が反射減衰量ですな。
つーことで、電圧反射係数⇒反射減衰量なので、電流反射係数⇒逆流減衰量という造語(デ協限定)の可能性がある。
・逆流減衰量(不整合減衰量)
「反射電圧が入射電圧に対してどれだけ減衰して発生しているか」を入射電圧と反射電圧の比の対数をとって逆流減衰量と・・・」
逆流減衰量(dB)=20log(入射電圧/反射電圧)
・反射減衰量(反射損失)
「反射による損失を反射減衰量といい、次式で表します。この式により、「入射電圧が何dB減衰して透過電力となったか」を知ることができます。いいかえると、「受端に伝わる電力が反射点でどれだけ減衰するか」・・・
反射減衰量(dB)=10log(入射電力/透過電力)
逆流減衰量⇒リターンロスのことね。
反射減衰量⇒反射損のそのものね。
・伝送路の減衰特性=出力信号パワーPn+1/入力信号パワーPn
Pn+1/Pn=e^-2θnで表すと、指数部のみの足し算ですみ、実用上便利
多数の通信装置とケーブルがシリーズに接続された伝送路の総合減衰特性
=P2/P1・P3/P2・P4/P3…Pn+1/Pn=e^-2(θ1+θ2+θ3+…+θn)
・伝達量θ=複素数(実数部:減衰量あるいは伝送損失[ネーパNp]+虚数部:位相角[rad]又は度[°])
特に減衰量は=20log10eとして単位にデシベル[dB]が用いられている
(参考)電気回路 2005 No.23
例)1mW=0dBm、1W=30dBm
相対レベル(dBr):伝送系の注目する点と伝送系の基準点とにおける信号の電力比を伝送単位で表した値
dBm0:伝送系の注目する点における信号電力を相対レベル0の点に1mWの信号を加えたものを基準として表す際の単位
by 9denki
| 2006-04-29 19:05
| 通信線路