2006年 05月 02日
光デバイス
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〔光ファイバ増幅器〕
・希土類ドープ光ファイバ増幅器、ファイバラマン光増幅器
・光信号を直接増幅するため、信号伝送速度や伝送方式にかかわらずシンプルなネットワーク構成が可能
・線形中継伝送システムにおいては、光増幅器の利得をできるだけ大きくするとともに、光増幅器の出力を大きくすることによりSN比を改善することができる
・光増幅器の出力を大きくし過ぎると、光ファイバの非線形効果により信号波形劣化が発生する
・光ファイバ構造を基本としているので、光ファイバ同士の接続や、他の光部品との整合性が良いため、接続損失を小さくできる
・希土類元素の離散的なエネルギー準位での遷移を利用しているため、増幅効果を得ることができる光波長は幾つかの特定の波長に限定される
・光ファイバの導波路構造が軸対象であるため、利得の偏波依存性はない
・半導体光増幅器と比較して、雑音特性が優れている
・一般に、エルビウムを添加した光ファイバと励起用光源などで構成され、励起光により励起状態となった希土類イオンのエネルギー準位間の誘導放出現象を利用して信号光の増幅を実現している
(参考)Optical fibre amplifier(nipponese)
希土類元素って?
●エルビウム(Er)ドープ光ファイバ増幅器:エルビウムを添加した光ファイバを用いた光ファイバ増幅器
・光波長が1.55μm帯で高性能な増幅特性が得られ、低雑音性である
・光ファイバ増幅器に用いられる希土類イオンの一つであるエルビウムは、光ファイバの最低損失である波長1.55μm帯で遷移する特性がある
(参考)丸文研究交流財団
「エルビウム(Er)
原子番号68、無機化合物中では3価イオンのみが安定で、4f軌道に11ヶの電子を有する。極めて安定な第一励起準位から基底状態への、3準位系1.55μm発光遷移を有するため、始めにシリカファイバをホストとする通信光増幅器として1989年に実用化された。」
・励起光として、波長0.98μm又は1.48μmが主に用いられている
(参考)技術講座(光ファイバー)
「波長1550nmで運用中のファイバに、短いエルビウム添加ファイバを3ポートWDMを使って分岐接続し、波長980nmまたは1480nmのレーザー光をエルビウム添加ファイバに注入して、エルビウムを励起します。」
(参考)半導体レーザの開発
「EDFA(エルビウムドープ光ファイバ増幅器)の励起光源として,1.48μmのInGaAsP/InPレーザと0.98μmのInGaAs/GaAs歪量子井戸レーザが用いられている。」
●光ファイバラマン増幅器:誘導ラマン散乱といわれる光ファイバの非線形現象を利用した増幅器
・一般に、光信号とは逆方向から入射した高出力励起光により引き起こされたラマン散乱現象を利用して光信号の増幅を実現しているもの
・エルビウムドープ光ファイバ増幅器と比較して大きい(高出力)励起光パワーが必要
・励起用光ファイバが数km必要
・励起波長を変えればどの波長でも利得を得ることができる
・増幅媒体として一般の光ファイバが適用可能(特別な光ファイバを必要としない)
(参考)[教えて!goo] 誘導ラマン散乱とは
「原子というのは光が当たっていなくても振動しています。この振動は熱振動といいます。
この原子に光が当たり更に光の周波数で振動すると、光は変調されます。
そうすると、そうやって散乱されて出てきた光の波長はもとの波長から少しずれます。
これがラマン散乱です。
ラマン散乱は何時でも発生するのではなく、色んな条件が必要なので、散乱した光のごく一部のみの波長がずれるという形になります。
さて、少し話を変えて誘導放出という現象について考えて見ましょう。
これは原子がエネルギーをもらい、光を放出するときに、他からの光が入ってくると、それに刺激されてその波長と方向に光を放出する現象です。これを利用してレーザーというものが考え出されました。
さて、次にいよいよ誘導ラマン散乱です。
これには、熱振動している原子に光が当たり、まだ光を放出していない状態の原子を考えますと、この原子は早く光を出してまたもとの状態に戻りたいところです。(水が高いところから低いところに流れるようにエネルギーの低い状態になろうとするのが自然の法則です)
ここに、ラマン散乱光と同一の光が入ってくると、原子はそれに刺激されて誘導放出が起こります。
これが誘導ラマン散乱です。」
●ASE(Amplified Spontaneous Emission):増幅された自然放出光の放射
・ASE雑音は、光増幅に伴う自然放出によるものであり、ゼロにはできない
・完全な反転分布が実現された光増幅器での雑音指数(最小)=2
●半導体光増幅器
・半導体レーザの端面に反射コーティングを施すことで光の増幅ができる
・光ファイバ増幅器と比較して増幅帯域は広いが、雑音指数が高い
・光強度を減衰する方法として、一般に光の一部分を吸収させて減衰する方法が採られている
・光の減衰量は膜厚に依存する
・過大な光信号により受光素子が破壊されるおそれがあるとき、光減衰器の種類として、装置に内蔵されるなどシステムの一部として用いられることが多いことから、小形・軽量化が容易な固定減衰器が一般に用いられる
・一般的な可変減衰器の構造は、連続的に可変する減衰素子などにより構成されており、測定精度向上のため、減衰素子からの反射光が光減衰器に接続された光ファイバへ戻らないような工夫が施されている
〔光分岐・結合器〕
●光分岐・結合器:一つの信号を複数に分岐したり、逆に複数の信号を一つに結合したりする機能を持つ光部品
・光分岐・結合の方法…「ハーフミラー」「レンズ」「光ファイバ」「光導波路」
「ハーフミラーとレンズ」
・サイズが小さく、分岐数が増えても光損失が増加しない
・石英基板等の上に光導波路を形成した平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)により構成されるものがある。これは半導体の製造に用いられる薄膜工法と同様な方法で製造され、基板上の1×2分岐のY字分岐を基本に、これを多段に組み合わせて多段分岐の導波路を構成することが可能で、小形化及び多分岐化に適している
(参考)光スイッチ・変調器
・Y分岐が基本
(利点)Y分岐は非常に単純な構造であり、ほとんど波長依存性が無い
(欠点)低損失で均一に分岐させるためには、分岐部の精密加工技術が必要
・分岐数を増やす方法としては、Y分岐を多段に接続する方法がある
●ファイバ溶融型光分岐・結合器:複数の光ファイバを束ねて加熱溶融し、中央部を延伸して細径化した光分岐・結合器
●光合波・分波器:波長分割多重方式などに用いられ、波長の異なる複数の光信号を1本の光ファイバに挿入したり、逆に1本の光ファイバを伝搬してきた波長の異なる複数の光信号を各波長ごとに分波する光部品
〔光合分波方法〕
●誘電体多層膜を用いた方法:ガラス基盤に波長透過(又は反射)特性のある金属酸化膜を蒸着した誘電体多層膜フィルタを棒状のレンズと組み合わせて合分波させるもの
・合分波する波長数が少ないほど構造が簡単であり、その挿入損失も少ない
・誘電体多層膜フィルタの透過率が、波長により変化することを利用している
・誘電体多層膜の波長選択性は、誘電体膜の層数、膜材料に大きく依存する
(参考)誘電体多層膜を用いた利得等化器用フィルタチップの開発
●光ファイバを用いた方法:光ファイバを融着した状態で、2本平行に並べることにより、コア間での光のやり取りが発生することを利用して合分波させるもの
・一方の光ファイバよりコア内の光がクラッドに漏れ出した後、再び他方の光ファイバのコア内に入る現象を利用している
●光導波路を用いた方法:基板上に光ファイバのコアとクラッドに相当する薄膜を形成し、光を導波させる導波路により合分波させる方法
・同じ形状の2本の光導波路を一定の長さで平行に配置したとき、一方の導波路に流れる光が他方の導波路に移ることを利用している
●ファイバグレーティングを用いた光分波器:紫外線の照射により、光ファイバのクラッド内に屈折率の高低を軸方向に周期的に付けたグレーティングを直接施したもの
・構造が簡易で小形化が可能
・一般に光サーキュレータなどと組み合わせて用いられる
(参考)光デバイスコア技術
「ファイバブラッググレーティング(FBG)は,ゲルマニウムを含んだガラスに紫外線を照射すると照射された部分の屈折率が上昇する原理を応用して,ファイバコア中に周期的な屈折率分布を形成しフィルタ機能を実現させたものである。
FBGは選択した波長を反射するため,Add-Drop機能を実現するためには光サーキュレータと組み合わせる方法が一般的である。光サーキュレータは光の進行方向によって結合するポートが異なる機能を持つ光デバイスであり,磁気光学効果の非相反性を利用したものである。」
●アレイ導波路回折格子(AWG)を用いた光合波・分波器:長さの異なるアレイ状の複数の光導波路から構成され、多光束の干渉を利用するもの
・波長間隔が狭い高密度の波長分割多重方式への適用に有効
・融着細径化された部分で光が伝搬しながら分岐(結合)状態を形成することから、製造時にこの結合長を変えることにより、種々の分岐比(結合比)を実現できる
〔光スイッチ〕
●光スイッチ:光伝送路中に挿入することにより、光路を切り替えるもの
・高信頼性を要求されるシステムの故障回避などに用いられる
└非機械的光スイッチ:可動部を全く持たず、電界や電波あるいは温度により入力から出力間の光導波路の層屈折率を変化させて、光路の切り替えを行うもの
└機械的光スイッチ
・非機械的光スイッチと比較して切り替え速度が遅く、低損失
・各種のタイプ…1入力2出力間(2入力1出力間)を切り替える1×2光スイッチ、1×9光スイッチ、2×2光スイッチ、8×8光スイッチ
(参考)optical switch
「機械的スイッチは、ミラー、プリズムなどの光学部品またはファイバ自身を電磁的に駆動して光路を切り替える。非機械的光スイッチに比べて切替速度は遅いが、損失が小さく、漏話も少ないなどの特徴がある。既に1入力2出力間(または2入力1出力間)を切り替える1×2スイッチをはじめとして、各種のスイッチが開発されている。
これに対して、非機械的光スイッチは可動部分を全く持たず、電界や音波、温度により媒体の層屈折率を変化させて光路を切り替える。」
・希土類ドープ光ファイバ増幅器、ファイバラマン光増幅器
・光信号を直接増幅するため、信号伝送速度や伝送方式にかかわらずシンプルなネットワーク構成が可能
・線形中継伝送システムにおいては、光増幅器の利得をできるだけ大きくするとともに、光増幅器の出力を大きくすることにより
・光増幅器の出力を大きくし過ぎると、光ファイバの非線形効果により信号波形劣化が発生する
SN比は関係ないので誤り●希土類ドープ光ファイバ増幅器:希土類添加光ファイバのレーザー作用を利用したEr添加光ファイバによる1.55μm帯光増幅器
本当にそうか?イメージ的には出力を大きく増幅すると、その分だけ雑音(SN比)も増えそうなもんだがの
アナログな電気信号でなくて、光信号だぞ
問題になるのは「信号波形劣化」
元の問題文は「SN比を改善することが出来る」 だから、「改善」も間違いだし、そもそもSN比で表現しない
・光ファイバ構造を基本としているので、光ファイバ同士の接続や、他の光部品との整合性が良いため、接続損失を小さくできる
・希土類元素の離散的なエネルギー準位での遷移を利用しているため、増幅効果を得ることができる光波長は幾つかの特定の波長に限定される
・光ファイバの導波路構造が軸対象であるため、利得の偏波依存性はない
・半導体光増幅器と比較して、雑音特性が優れている
・一般に、エルビウムを添加した光ファイバと励起用光源などで構成され、励起光により励起状態となった希土類イオンのエネルギー準位間の誘導放出現象を利用して信号光の増幅を実現している
(参考)Optical fibre amplifier(nipponese)
希土類元素って?
●エルビウム(Er)ドープ光ファイバ増幅器:エルビウムを添加した光ファイバを用いた光ファイバ増幅器
・光波長が1.55μm帯で高性能な増幅特性が得られ、低雑音性である
・光ファイバ増幅器に用いられる希土類イオンの一つであるエルビウムは、光ファイバの最低損失である波長1.55μm帯で遷移する特性がある
(参考)丸文研究交流財団
「エルビウム(Er)
原子番号68、無機化合物中では3価イオンのみが安定で、4f軌道に11ヶの電子を有する。極めて安定な第一励起準位から基底状態への、3準位系1.55μm発光遷移を有するため、始めにシリカファイバをホストとする通信光増幅器として1989年に実用化された。」
・励起光として、波長0.98μm又は1.48μmが主に用いられている
(参考)技術講座(光ファイバー)
「波長1550nmで運用中のファイバに、短いエルビウム添加ファイバを3ポートWDMを使って分岐接続し、波長980nmまたは1480nmのレーザー光をエルビウム添加ファイバに注入して、エルビウムを励起します。」
(参考)半導体レーザの開発
「EDFA(エルビウムドープ光ファイバ増幅器)の励起光源として,1.48μmのInGaAsP/InPレーザと0.98μmのInGaAs/GaAs歪量子井戸レーザが用いられている。」
●光ファイバラマン増幅器:誘導ラマン散乱といわれる光ファイバの非線形現象を利用した増幅器
・一般に、光信号とは逆方向から入射した高出力励起光により引き起こされたラマン散乱現象を利用して光信号の増幅を実現しているもの
・エルビウムドープ光ファイバ増幅器と比較して大きい(高出力)励起光パワーが必要
・励起用光ファイバが数km必要
・励起波長を変えればどの波長でも利得を得ることができる
・増幅媒体として一般の光ファイバが適用可能(特別な光ファイバを必要としない)
(参考)[教えて!goo] 誘導ラマン散乱とは
「原子というのは光が当たっていなくても振動しています。この振動は熱振動といいます。
この原子に光が当たり更に光の周波数で振動すると、光は変調されます。
そうすると、そうやって散乱されて出てきた光の波長はもとの波長から少しずれます。
これがラマン散乱です。
ラマン散乱は何時でも発生するのではなく、色んな条件が必要なので、散乱した光のごく一部のみの波長がずれるという形になります。
さて、少し話を変えて誘導放出という現象について考えて見ましょう。
これは原子がエネルギーをもらい、光を放出するときに、他からの光が入ってくると、それに刺激されてその波長と方向に光を放出する現象です。これを利用してレーザーというものが考え出されました。
さて、次にいよいよ誘導ラマン散乱です。
これには、熱振動している原子に光が当たり、まだ光を放出していない状態の原子を考えますと、この原子は早く光を出してまたもとの状態に戻りたいところです。(水が高いところから低いところに流れるようにエネルギーの低い状態になろうとするのが自然の法則です)
ここに、ラマン散乱光と同一の光が入ってくると、原子はそれに刺激されて誘導放出が起こります。
これが誘導ラマン散乱です。」
●ASE(Amplified Spontaneous Emission):増幅された自然放出光の放射
・ASE雑音は、光増幅に伴う自然放出によるものであり、ゼロにはできない
・完全な反転分布が実現された光増幅器での雑音指数(最小)=2
●半導体光増幅器
・半導体レーザの端面に反射コーティングを施すことで光の増幅ができる
・光ファイバ増幅器と比較して増幅帯域は広いが、雑音指数が高い
希土類添加光ファイバ増幅器は特定の波長でしか増幅できないが、半導体増幅器なら 組成を変更することで、任意の波長域で増幅ができるようになる。〔光減衰器の種類と特徴〕
そして、半導体増幅器は端面の反射を抑圧した進行波形を使用することで、希土類添加光ファイバ増幅器よりも増幅帯域の広い増幅器にできるようになる。
・光強度を減衰する方法として、一般に光の一部分を吸収させて減衰する方法が採られている
だが通信線路テキストP132に「光の一部分を反射して減衰する方法が一般的」とある・一つの方法として、透過率変動の小さな金属膜(ニッケル(Ni)とクロム(Cr)の化合物)を蒸着させたガラス基盤を利用する方法がある
さらには吸収する方法に対して「光パワーが吸収されるので大パワーの光が入射した場合焼損するおそれがある」とある
これって通信線路テキストが逝かれてるの(´・ω・)? それとも当時(2002年)はそうだったとか?
『金属ドープ光ファイバの吸収(分散型)の方法』だと思うが、分散を反射と書き間違えたんだと思う。
ファイバーのなかに金属を混入(ドープ)する方法と、金属蒸着膜をファイバーの間に挿入する方法とあるが、どちらも金属に吸収された光は熱に変わるので、あまり大きなパワーを入力すると光を吸収した金属が発熱してファイバーを焼損させる
ドープ(分散型)
光---→●金属粒(熱になり放散)
---------→
-→●
-------→●
金属蒸着膜
光--→■
---------→
---→■
---→■金属膜(熱になり放散)
・光の減衰量は膜厚に依存する
・過大な光信号により受光素子が破壊されるおそれがあるとき、光減衰器の種類として、装置に内蔵されるなどシステムの一部として用いられることが多いことから、小形・軽量化が容易な固定減衰器が一般に用いられる
可変減衰器は測定用、固定減衰器は光強度の調整用として主に使われる。・可変減衰器は、一般に受光素子の感度特性測定などのための光受信器への入力レベル調整用計測器として広く使用されている
「装置に内蔵される・・」と記載されている部分があります。
固定減衰器は減衰量が固定「5dB減衰」「10dB減衰」等されており。
外線接続の作業次第で、装置の受光レベルにあわせて何dB減衰されるかを選んで使用するものと考えています。よって、はじめから装置に内蔵されてしまうと減衰器の取替が出来ないのでは?それよりは、光配線箱内で作業をしたほうが良いかなと思っています?
光レベルが高い場合は、装置の入口で固定減衰器を挿入します。
装置に内蔵ではないですが、装置内部に設置する形です。
装置の受信レベルには、大体15dBほどの許容範囲があるので、大体、5dBか10dBの固定減衰器で調整します。
装置の入口で、可変を使うことはあまり無いかも。
あとは、「装置に内蔵」ってのをどう解釈するかですね。
・一般的な可変減衰器の構造は、連続的に可変する減衰素子などにより構成されており、測定精度向上のため、減衰素子からの反射光が光減衰器に接続された光ファイバへ戻らないような工夫が施されている
〔光分岐・結合器〕
●光分岐・結合器:一つの信号を複数に分岐したり、逆に複数の信号を一つに結合したりする機能を持つ光部品
・光分岐・結合の方法…「ハーフミラー」「レンズ」「光ファイバ」「光導波路」
「ハーフミラーとレンズ」
・サイズが小さく、分岐数が増えても光損失が増加しない
光分岐・結合器「光導波路」
(概要)バルク型光分岐・結合器であり、2個の直角二等辺三角形プリズムと、これらのプリズムの斜面の間に両面にハーフミラーを備えた板状プリズムと、ロッドレンズと光ファイバで構成した2入力2出力の入出力コリメータ系とで構成し、小形で通過損失の小さい光分岐・結合器を得る。
<松下電器産業、登録日 97.2.27、出願日 88.7.25>
↓
と、特許庁に申請しているので、『結合器は、サイズも小さく、分岐数が増えても光損失が増加しないという利点がある。』
・石英基板等の上に光導波路を形成した平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)により構成されるものがある。これは半導体の製造に用いられる薄膜工法と同様な方法で製造され、基板上の1×2分岐のY字分岐を基本に、これを多段に組み合わせて多段分岐の導波路を構成することが可能で、小形化及び多分岐化に適している
(参考)光スイッチ・変調器
・Y分岐が基本
(利点)Y分岐は非常に単純な構造であり、ほとんど波長依存性が無い
(欠点)低損失で均一に分岐させるためには、分岐部の精密加工技術が必要
・分岐数を増やす方法としては、Y分岐を多段に接続する方法がある
●ファイバ溶融型光分岐・結合器:複数の光ファイバを束ねて加熱溶融し、中央部を延伸して細径化した光分岐・結合器
溶融型光カプラ〔光合波・分波器〕
光カプラは、光ファイバを通過する光パワーを指定の比率で光ファイバに分岐させたり、あるいは逆に光ファイバの光パワーを合流させる光部品
1本のファイバーを2本~n本に分岐させる(こんな感じ)
-△<
●光合波・分波器:波長分割多重方式などに用いられ、波長の異なる複数の光信号を1本の光ファイバに挿入したり、逆に1本の光ファイバを伝搬してきた波長の異なる複数の光信号を各波長ごとに分波する光部品
〔光合分波方法〕
●誘電体多層膜を用いた方法:ガラス基盤に波長透過(又は反射)特性のある金属酸化膜を蒸着した誘電体多層膜フィルタを棒状のレンズと組み合わせて合分波させるもの
・合分波する波長数が少ないほど構造が簡単であり、その挿入損失も少ない
・誘電体多層膜フィルタの透過率が、波長により変化することを利用している
・誘電体多層膜の波長選択性は、誘電体膜の層数、膜材料に大きく依存する
(参考)誘電体多層膜を用いた利得等化器用フィルタチップの開発
●光ファイバを用いた方法:光ファイバを融着した状態で、2本平行に並べることにより、コア間での光のやり取りが発生することを利用して合分波させるもの
・一方の光ファイバよりコア内の光がクラッドに漏れ出した後、再び他方の光ファイバのコア内に入る現象を利用している
●光導波路を用いた方法:基板上に光ファイバのコアとクラッドに相当する薄膜を形成し、光を導波させる導波路により合分波させる方法
・同じ形状の2本の光導波路を一定の長さで平行に配置したとき、一方の導波路に流れる光が他方の導波路に移ることを利用している
●ファイバグレーティングを用いた光分波器:紫外線の照射により、光ファイバのクラッド内に屈折率の高低を軸方向に周期的に付けたグレーティングを直接施したもの
・構造が簡易で小形化が可能
・一般に光サーキュレータなどと組み合わせて用いられる
(参考)光デバイスコア技術
「ファイバブラッググレーティング(FBG)は,ゲルマニウムを含んだガラスに紫外線を照射すると照射された部分の屈折率が上昇する原理を応用して,ファイバコア中に周期的な屈折率分布を形成しフィルタ機能を実現させたものである。
FBGは選択した波長を反射するため,Add-Drop機能を実現するためには光サーキュレータと組み合わせる方法が一般的である。光サーキュレータは光の進行方向によって結合するポートが異なる機能を持つ光デバイスであり,磁気光学効果の非相反性を利用したものである。」
●アレイ導波路回折格子(AWG)を用いた光合波・分波器:長さの異なるアレイ状の複数の光導波路から構成され、多光束の干渉を利用するもの
・波長間隔が狭い高密度の波長分割多重方式への適用に有効
・融着細径化された部分で光が伝搬しながら分岐(結合)状態を形成することから、製造時にこの結合長を変えることにより、種々の分岐比(結合比)を実現できる
〔光スイッチ〕
●光スイッチ:光伝送路中に挿入することにより、光路を切り替えるもの
・高信頼性を要求されるシステムの故障回避などに用いられる
└非機械的光スイッチ:可動部を全く持たず、電界や電波あるいは温度により入力から出力間の光導波路の層屈折率を変化させて、光路の切り替えを行うもの
└機械的光スイッチ
・非機械的光スイッチと比較して切り替え速度が遅く、低損失
・各種のタイプ…1入力2出力間(2入力1出力間)を切り替える1×2光スイッチ、1×9光スイッチ、2×2光スイッチ、8×8光スイッチ
(参考)optical switch
「機械的スイッチは、ミラー、プリズムなどの光学部品またはファイバ自身を電磁的に駆動して光路を切り替える。非機械的光スイッチに比べて切替速度は遅いが、損失が小さく、漏話も少ないなどの特徴がある。既に1入力2出力間(または2入力1出力間)を切り替える1×2スイッチをはじめとして、各種のスイッチが開発されている。
これに対して、非機械的光スイッチは可動部分を全く持たず、電界や音波、温度により媒体の層屈折率を変化させて光路を切り替える。」
by 9denki
| 2006-05-02 02:24
| 通信線路