2006年 05月 16日
アクセスネットワーク
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〔アクセスネットワークの種類と特徴〕
・用いられる媒体とその組合せによる形態
├メタリックケーブルを用いたアクセスネットワーク…設備センタから各ユーザまでサービスごとに1対ずつのメタリックケーブルをスター状に配線した形態
└同軸ケーブルを用いたアクセスネットワーク…設備センタから各ユーザに同軸ケーブルをバス状に配線した形態
・高速・広帯域サービスを提供するアクセスネットワーク
├xDSL方式…既存のメタリックケーブルの特性を最大限に活用して数十Mbpsの伝送可能
├光/メタルハイブリッドアクセス方式…アクセスネットワークの途中まで光ファイバケーブルを布設し、そこに光アクセスシステムを用い、より広帯域な伝送を行う
└全光アクセス方式…設備センタから各ユーザまでを完全に光ファイバで結ぶ
〔光アクセスネットワークにおけるそれぞれの形態と特徴〕
設備センタとユーザ間
┌1対1の光ファイバで結んで配線する方法
アクセス網┤
└機能点を設け、設備センタから機能点までの光ファイバを複数のユーザで共用する方法
┌光/電気変換機能を備えた装置を用いるADS構成
機能点┤
└光分岐回路などの光分岐・結合機能を備えた装置を用いるPDS構成
●シングルスター(SS)構成:設備センタと各ユーザ間に、1心又は2心の光ファイバケーブルを1対1対応でスター状に布設する形態
・光アクセスシステムのトポロジー(網形態)としては最もシンプルな構成
●アクティブダブルスター(ADS)構成:設備センタと各ユーザ間に光/電気変換機能、多重分離機能を有する能動的な装置(アクティブ素子)を設置した形態
設備センタ―――――アクティブ素子――――――ユーザ
光ファイバ 同軸ケーブル
・アクティブ素子からユーザ間の配線は、メタリックケーブル又は同軸ケーブルが使用される
・光ファイバ部分などの複数ユーザによる共有化
→SS構成と比較して、低コストでネットワーク構築可能
→各ユーザ当たりの帯域に制限がある
・アクティブ装置を運用するための設置環境の整備や駆動用電源の確保が必要となる
●CT/RT方式:通信設備センタにCTを設置し、通信設備センタと加入者宅等間のアクセス系設備の途中にRTを設置する方式
・RTでは、光信号を電気信号に変換し、メタリックケーブルを介して加入者宅に信号を伝送し、逆方向への通信はこの逆の手順で行う
●パッシブダブルスター(PDS)構成:設備センタと各ユーザ間に光スプリッタ等の受動的な装置(パッシブ素子)を設け、設備センタからの光信号の分岐、結合を行う形態
信号を多重化した光伝送路 光ファイバケーブル
設備センタ――――――――――――パッシブ素子―――――――――ユーザ
PDS-SLT 光スプリッタ ONU
(PDS形光加入者線端局装置) (スターカップラ) (光加入者線終端装置)
┌STM-PON
PDS方式によるFTTHの伝送方式┤
└ATM-PON
・ユーザに対するアクセス制御プロトコル(TDM、TDMA、WDM)などが必要となる
・PDS伝送方式では、1本の光ファイバで双方向の通信を行うことから、ピンポン伝送といわれるTCM(Time Compression Multiplexing:光時分割伝送方式)を用いるものもある
(参考)GE-PON技術――第1回 PONとは
「TCMはピンポン伝送とも呼ばれ,上り通信と下り通信を行う時間が重ならないように通信制御を実施する方法です.」
・OSU(SLT内の電気/光変換回路)に複数のONUが接続されることから、
SLTからの下り信号→各ONUあての信号を時分割多重(TDM)してすべてのONUに放送方式で送信し、受信側のONUはあらかじめ設定されたタイミングで自分あての信号を選択して受信する
ONUからの上り信号→光スプリッタ(スターカップラ)により信号が統合されるときに、同じOSUに接続される他のONUからの信号と衝突しないように、信号送出時間を制御している(TDMA)
(参考)GE-PON技術――第1回 PONとは
●HFC(Hybrid Fiber and Coaxial):同軸ケーブルと光ファイバケーブルを併用する構成
・基幹系に光ファイバケーブルを使用し、配線系に同軸ケーブルを使用している
―-―(基幹系)-――光電気変換装置―(配線系)―ユーザ宅
光ファイバケーブル 同軸ケーブル
(参考)HFCとは 【Hybrid Fiber Coax】 - 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
「CATV網のネットワーク構成方法の一つで、光ファイバーと同軸のケーブルを組み合わせたもの。1990年代半ば以降のCATVの標準的なインフラで、基幹部分に光ファイバーを用い、光電気変換装置を介してユーザ宅の引き込みには同軸ケーブルを用いる。」
●FTTC(Fiber to the Curb):通信事業者の設備センタからユーザ近くの道路脇などに設置したONUまで光ファイバで配線し、ONUからユーザの間を同軸ケーブルで配線する方式
設備センタ―――――――――ONU――――――ユーザ
光ファイバケーブル 同軸ケーブル
(参考)FTTC(エフ・ティー・ティー・シー。Fiber To The Curb):RBB TODAY (ブロードバンド辞典)
「アクセス・ネットワーク(ユーザーと電話局あるいはISP間のネットワーク)の高速・広帯域化を実現するため、光ファイバをユーザーの間近の電柱や道路脇まで光ファイバを敷設し、そこからユーザー宅までは既存の銅線(電話線)を用いるシステムのことです。」
〔光アクセスネットワークで用いられる転送モード〕
●STM方式:一定時間の間隔を持った周期的な伝送フレームを作り、それを短いタイムスロットに区切って、その中に各チャネルの信号を入れて伝送する方式
・情報の並べ方に制約があるため、ATM方式と比較して、大容量の情報と比較的小容量の情報を混在して送ったり、情報の隙間に新たに情報を追加することには適さない
●ATM方式:53バイトの固定長のセルで情報を伝送する方式
・個々のセルはヘッダ部分にある接続先情報により、目的の相手先に送られる
・単位時間当たりの送信セル数を増減させることにより、伝送する情報量を変えることができるため、音声程度の比較的小容量の情報から高品質映像などの大容量の情報までを統合的に伝送できる
〔光アクセスネットワークで用いられる双方向多重伝送方式〕
●TCM(Time Compression Multiplexing:時分割制御伝送)方式:上り方向、下り方向それぞれに対して交互に帯域を共有することにより、光ファイバ1心で双方向伝送を実現できるもの
・光ファイバが1心で済むため、光ファイバのコストを最小限に抑えることが可能
・光ファイバが1心であるため、電話系や映像系など複数のサービスの同時提供は不可能
●WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)方式:上り方向、下り方向それぞれに対して個別の波長を割り当てることにより、光ファイバ1心での双方向伝送を実現できるもの
・光ファイバが1心で済むため、光ファイバのコストを最小限に抑えることが可能
・TCM方式と比較して、伝送速度(ラインビットレート)が同じであれば短時間で情報を伝送することが可能
(参考)FTTHに向けた光伝送方式
「上り・下りの信号を一つの帯域で交互に送信しながら共有を帯域の共有を行っています。この伝送方式をTCM(Time Compression Multiplexing)、一般的にはピンポン伝送方式(正式名称:時分割制御伝送方式)と呼んでいます。日本のISDNでも採用されている方式です(上り・下りの信号がピンポンゲームのように交互に送信されることから呼ばれた名前です)。」
〔アクセスネットワークにおけるADSL伝送技術〕
●ADSL:1対の電話線(メタリック回線)を用いて、上り、下り方向のディジタルデータを非対称の伝送速度で伝送する方式
・既存のアナログ電話回線のメタリックケーブルがそのまま使用でき、アナログ電話とADSLが同じ回線で使える
・代表的な変調方式として、DMT(Discrete Multi-Tone)方式がある
●DMT方式:マルチキャリア(多周波数キャリア)変調方式の一種
・使用する周波数帯域内に複数のサブキャリアがあり、それぞれのサブキャリアでQAM(直交振幅変調)方式などによる伝送を行う
・回線のSN比により、各サブキャリアに割り当てるビット数を変動させ、エラーレートを均一化させている
→使用する回線ごとに伝送速度が変化しない均一の雑音に強い伝送方式となっている。
「 DMT(Discrete Multi Tone)は、使用帯域を細分割し、各周波数チャネル(bin)をQAMで変調する方式です。フルレートDMTでは4kHz幅のビンを約250個用い、1つのビンに最大15ビットを割り当てます。また、S/N比に応じて各ビンに割り当てるビット数を変えられるので、雑音に強いと言われています。」
・用いられる媒体とその組合せによる形態
├メタリックケーブルを用いたアクセスネットワーク…設備センタから各ユーザまでサービスごとに1対ずつのメタリックケーブルをスター状に配線した形態
└同軸ケーブルを用いたアクセスネットワーク…設備センタから各ユーザに同軸ケーブルをバス状に配線した形態
・高速・広帯域サービスを提供するアクセスネットワーク
├xDSL方式…既存のメタリックケーブルの特性を最大限に活用して数十Mbpsの伝送可能
├光/メタルハイブリッドアクセス方式…アクセスネットワークの途中まで光ファイバケーブルを布設し、そこに光アクセスシステムを用い、より広帯域な伝送を行う
└全光アクセス方式…設備センタから各ユーザまでを完全に光ファイバで結ぶ
〔光アクセスネットワークにおけるそれぞれの形態と特徴〕
設備センタとユーザ間
┌1対1の光ファイバで結んで配線する方法
アクセス網┤
└機能点を設け、設備センタから機能点までの光ファイバを複数のユーザで共用する方法
┌光/電気変換機能を備えた装置を用いるADS構成
機能点┤
└光分岐回路などの光分岐・結合機能を備えた装置を用いるPDS構成
●シングルスター(SS)構成:設備センタと各ユーザ間に、1心又は2心の光ファイバケーブルを1対1対応でスター状に布設する形態
・光アクセスシステムのトポロジー(網形態)としては最もシンプルな構成
●アクティブダブルスター(ADS)構成:設備センタと各ユーザ間に光/電気変換機能、多重分離機能を有する能動的な装置(アクティブ素子)を設置した形態
設備センタ―――――アクティブ素子――――――ユーザ
光ファイバ 同軸ケーブル
・アクティブ素子からユーザ間の配線は、メタリックケーブル又は同軸ケーブルが使用される
・光ファイバ部分などの複数ユーザによる共有化
→SS構成と比較して、低コストでネットワーク構築可能
→各ユーザ当たりの帯域に制限がある
・アクティブ装置を運用するための設置環境の整備や駆動用電源の確保が必要となる
●CT/RT方式:通信設備センタにCTを設置し、通信設備センタと加入者宅等間のアクセス系設備の途中にRTを設置する方式
・RTでは、光信号を電気信号に変換し、メタリックケーブルを介して加入者宅に信号を伝送し、逆方向への通信はこの逆の手順で行う
●パッシブダブルスター(PDS)構成:設備センタと各ユーザ間に光スプリッタ等の受動的な装置(パッシブ素子)を設け、設備センタからの光信号の分岐、結合を行う形態
信号を多重化した光伝送路 光ファイバケーブル
設備センタ――――――――――――パッシブ素子―――――――――ユーザ
PDS-SLT 光スプリッタ ONU
(PDS形光加入者線端局装置) (スターカップラ) (光加入者線終端装置)
┌STM-PON
PDS方式によるFTTHの伝送方式┤
└ATM-PON
・ユーザに対するアクセス制御プロトコル(TDM、TDMA、WDM)などが必要となる
・PDS伝送方式では、1本の光ファイバで双方向の通信を行うことから、ピンポン伝送といわれるTCM(Time Compression Multiplexing:光時分割伝送方式)を用いるものもある
(参考)GE-PON技術――第1回 PONとは
「TCMはピンポン伝送とも呼ばれ,上り通信と下り通信を行う時間が重ならないように通信制御を実施する方法です.」
・OSU(SLT内の電気/光変換回路)に複数のONUが接続されることから、
SLTからの下り信号→各ONUあての信号を時分割多重(TDM)してすべてのONUに放送方式で送信し、受信側のONUはあらかじめ設定されたタイミングで自分あての信号を選択して受信する
ONUからの上り信号→光スプリッタ(スターカップラ)により信号が統合されるときに、同じOSUに接続される他のONUからの信号と衝突しないように、信号送出時間を制御している(TDMA)
(参考)GE-PON技術――第1回 PONとは
・基幹系に光ファイバケーブルを使用し、配線系に同軸ケーブルを使用している
―-―(基幹系)-――光電気変換装置―(配線系)―ユーザ宅
光ファイバケーブル 同軸ケーブル
(参考)HFCとは 【Hybrid Fiber Coax】 - 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
「CATV網のネットワーク構成方法の一つで、光ファイバーと同軸のケーブルを組み合わせたもの。1990年代半ば以降のCATVの標準的なインフラで、基幹部分に光ファイバーを用い、光電気変換装置を介してユーザ宅の引き込みには同軸ケーブルを用いる。」
●FTTC(Fiber to the Curb):通信事業者の設備センタからユーザ近くの道路脇などに設置したONUまで光ファイバで配線し、ONUからユーザの間を同軸ケーブルで配線する方式
設備センタ―――――――――ONU――――――ユーザ
光ファイバケーブル 同軸ケーブル
(参考)FTTC(エフ・ティー・ティー・シー。Fiber To The Curb):RBB TODAY (ブロードバンド辞典)
「アクセス・ネットワーク(ユーザーと電話局あるいはISP間のネットワーク)の高速・広帯域化を実現するため、光ファイバをユーザーの間近の電柱や道路脇まで光ファイバを敷設し、そこからユーザー宅までは既存の銅線(電話線)を用いるシステムのことです。」
〔光アクセスネットワークで用いられる転送モード〕
●STM方式:一定時間の間隔を持った周期的な伝送フレームを作り、それを短いタイムスロットに区切って、その中に各チャネルの信号を入れて伝送する方式
・情報の並べ方に制約があるため、ATM方式と比較して、大容量の情報と比較的小容量の情報を混在して送ったり、情報の隙間に新たに情報を追加することには適さない
●ATM方式:53バイトの固定長のセルで情報を伝送する方式
・個々のセルはヘッダ部分にある接続先情報により、目的の相手先に送られる
・単位時間当たりの送信セル数を増減させることにより、伝送する情報量を変えることができるため、音声程度の比較的小容量の情報から高品質映像などの大容量の情報までを統合的に伝送できる
〔光アクセスネットワークで用いられる双方向多重伝送方式〕
●TCM(Time Compression Multiplexing:時分割制御伝送)方式:上り方向、下り方向それぞれに対して交互に帯域を共有することにより、光ファイバ1心で双方向伝送を実現できるもの
・光ファイバが1心で済むため、光ファイバのコストを最小限に抑えることが可能
・光ファイバが1心であるため、電話系や映像系など複数のサービスの同時提供は不可能
●WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)方式:上り方向、下り方向それぞれに対して個別の波長を割り当てることにより、光ファイバ1心での双方向伝送を実現できるもの
・光ファイバが1心で済むため、光ファイバのコストを最小限に抑えることが可能
・TCM方式と比較して、伝送速度(ラインビットレート)が同じであれば短時間で情報を伝送することが可能
(参考)FTTHに向けた光伝送方式
「上り・下りの信号を一つの帯域で交互に送信しながら共有を帯域の共有を行っています。この伝送方式をTCM(Time Compression Multiplexing)、一般的にはピンポン伝送方式(正式名称:時分割制御伝送方式)と呼んでいます。日本のISDNでも採用されている方式です(上り・下りの信号がピンポンゲームのように交互に送信されることから呼ばれた名前です)。」
〔アクセスネットワークにおけるADSL伝送技術〕
●ADSL:1対の電話線(メタリック回線)を用いて、上り、下り方向のディジタルデータを非対称の伝送速度で伝送する方式
・既存のアナログ電話回線のメタリックケーブルがそのまま使用でき、アナログ電話とADSLが同じ回線で使える
・代表的な変調方式として、DMT(Discrete Multi-Tone)方式がある
●DMT方式:マルチキャリア(多周波数キャリア)変調方式の一種
・使用する周波数帯域内に複数のサブキャリアがあり、それぞれのサブキャリアでQAM(直交振幅変調)方式などによる伝送を行う
・回線のSN比により、各サブキャリアに割り当てるビット数を変動させ、エラーレートを均一化させている
→
ADSLは減衰が大きいから線路の長さで速度が全然違う。(参考)技術講座(ADSL)
「 DMT(Discrete Multi Tone)は、使用帯域を細分割し、各周波数チャネル(bin)をQAMで変調する方式です。フルレートDMTでは4kHz幅のビンを約250個用い、1つのビンに最大15ビットを割り当てます。また、S/N比に応じて各ビンに割り当てるビット数を変えられるので、雑音に強いと言われています。」
by 9denki
| 2006-05-16 13:32
| 通信線路