2006年 05月 07日
光ファイバの接続
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〔光ファイバの接続の概要〕
┌光ファイバ端面を加熱溶融し接続する融着接続
┌恒久的に接続する永久接続┤
光ファイバの接続方法┤ └メカニカルスプライス
└必要時に着脱可能な光コネクタによるコネクタ接続
●メカニカルスプライス:V溝などを形成した接続部品を用いて光ファイバ心線を機械的に把持する接続技術
:光ファイバの端面を突き合わせた状態で固定・把持して接続する方法
・電源や接着剤を用いずに簡単に接続できる
・表面に凹凸のない直線状の溝と押さえ板の間にできる空間に、光ファイバを沿わせて固定し、光ファイバの端面同士の間に屈折率整合剤を注入して接続する
・光ファイバの軸合わせは、光ファイバの外径を基準とするため、光ファイバのコアに偏心があると接続損失が大きくなる
(参考)1 1.(6) 用語の意味・定義
「・メカニカルスプライス:光ファイバの軸合わせ用部品、突き合わせ部の固定部品からなり、突き合わせ部を機械的に保持固定する方法」
(参考)光ファイバのメカニカルスプライス技術
「メカスプではファイバ突合せ部に屈折率整合剤を介在させて、光ファイバをV溝基板と押さえ基板で軸合わせして狭持し、両基板をクランプスプリングで把持します。」
●ルーズチューブ法:コーナーを有するチューブのコーナー部に光ファイバを押し当ててコア軸合せを行う方法
●融着接続:対向させた光ファイバの端面を加熱溶融させ、一体化させること
┌固定V溝を使用してクラッド外径を合わせる方法
光ファイバの軸合わせ方法┤
└可動V溝を使用してコア軸を合わせる方法
・光コネクタ接続と比較して、接続点における接続損失を小さくできる
・光ファイバの溶融方法…アーク放電、レーザ光
接続の作業性、信頼性などの点からアーク放電を用いた方法が一般に行われている
・SM光ファイバを融着接続する場合、放電時間が長くなるとクラッド部の表面張力によって光ファイバ外径が一致してコア部にずれが生ずるため、接続損失が増大する
(防止策)ファイバの溶融領域をファイバ端面の狭い部分に集中し、外径整形時間を短くしてコア部の表面張力による外径一致を防ぐ
コア軸合せの放電時間<外径合せの放電時間
・コア偏心が比較的大きい初期のSM型光ファイバを、コア軸を調心して単心ごとに融着接続する場合、接続時の放電回数を2回以上実施することは長時間放電と同様な効果となるため、放電回数は1回とし、長時間放電にならないようにしながら作業する
・熱源として放電の利用が一般的であり、放電部分の熱分布を平坦化し、かつ、放電範囲を広げるための高周波放電技術が用いられている
〔融着接続の手順〕
①光ファイバの被覆除去
②光ファイバの切断
・光ファイバ端面における傾斜、欠け及び突起などの有無は接続損失に関係するので、ファイバ軸に直角でかつ平滑な端面で切断するためには、応力破断法の原理に基づく光ファイバ切断器が一般に用いられている
・光ファイバの切断は、融着機にて光ファイバ端面を溶かして接続することから、一般にニ
ッパファイバカッタを使用して切断する
・SM光ファイバはコア径が10μm以下と小さいため、融着接続時のコアの軸ずれを最小限に調整するために、コア直視法による調心法がある
●コア直視法:光ファイバの接続端末部に側面から平行光線を投射し、透過してきた光をTVカメラでキャッチし、シングルモード光ファイバのコアとクラッドの境界線を画像処理して両方のファイバのコア軸の軸ずれを最小化する方法
(参考)国立科学博物館-産業技術の歴史
「コア直視法とは、光ファイバに側方から平行光線を投射し屈折率分布に応じて透過した前方散乱光をTVカメラで捕らえ、画像処理でコア軸を高精度にキャッチする技術であり、光ファイバ接続技術の革新に顕著な役割を果たした。」
・外径合せでは、SM型光ファイバでコア偏心が大きい場合、接続損失は大きくなる
④光ファイバの融着
・光ファイバが2~8心程度のリボンファイバの融着接続の場合、接続時間を短くするために、同時に一括接続する多心一括融着接続機が用いられる。この融着接続機では、放電の電極棒間の電界がほぼ一様になる位置に多心ファイバの先端を並べて、同時に融着接続される
・光ファイバを構成する石英ガラスは、2,000℃に加熱すると軟化して水あめ状になるので、接続したい2本の光ファイバの両端を向かい合わせに設置し加熱して溶融状態になったところで両端を接続し、加熱を止めて冷却すれば2本の光ファイバは融着される
・融着接続には予加熱融着法が一般に使用されている
●予加熱融着法
・接続する直前に光ファイバの端面をわずかに溶かし、端面を整形することにより接続の成功率を高める
・予加熱時に光ファイバ端面を整形し、放電によって溶融するのは光ファイバ端面からごくわずかな部分に限定され、光ファイバそのものの構造には変化がない
4.5 スクリーニング試験
・融着接続後、光ファイバの融着接続部が機械的に完全に接続されているかを確認するため、融着接続部を補強する前に融着接続部を含む光ファイバ心線に一定の張力(応力)を加えるスクリーニング試験が行われている
(参考)JIS C 6841(光ファイバ心線融着接続方法)
「融着接続部のスクリーニング試験 光ファイバ心線に一定の荷重を、一定時間加えて引張試験を行う。」
(参考)http://www.tsuko.co.jp/pdffiles/no3.pdf
「このスクリーニング試験は光ファイバの融着接続の際にも実施され、強度不足の不完全な融着を破断させ除去します。」
⑤光ファイバ接続部の補強
・融着接続をした光ファイバ心線は、被覆が無く非常にもろいため、光学的、機械的劣化が生じない方法で補強をする必要がある
補強方法…熱収縮スリーブ法、ガラス繊維入りナイロン補強材で補強するモールド法
●光コネクタ接続:光ファイバの先端にあらかじめ取り付けられたコネクタを使用して光ファイバどうしを接続する方法
・融着接続と比較して接続が簡便
・光コネクタをあらかじめ光ファイバケーブルに装着しておけば、短時間に接続が可能
・光コネクタには、細くてフレキシブルな光ファイバを固定するため、フェルールが使われており、精密加工されたものやプラスチック加工された単心用、多心用のものがあり、その中で光ファイバを接着剤で固定している
フェルール:光ファイバを固定するとともに、コアの中心をコネクタの中心に設定するための部品
・光ファイバケーブルを用いた建物内の配線や、着脱可能な分界点を必要とする光ファイバコードの接続には、着脱自在な光コネクタが用いられる
・市内PECケーブルの心線接続には、PATコネクタが導入されている
・PATコネクタによる心線接続は、手ひねり接続に比較して接続信頼性が高く、専用の切替装置(CATSシステム)を使用することにより、無瞬断で心線切替えを行うことができる
〔コネクタ端面間の空隙によるフレネル反射の発生を軽減する方法〕
・フェルール端面を球面研磨することにより、フェルール端面同士を密着させる
・整合剤を用いる(着脱の都度塗布する必要がある)
●FCコネクタ
・ジルコニアフェルールを用いネジ締結する
●SCコネクタ:マルチモード光ファイバとシングルモード光ファイバのいずれにも使用できる無調心タイプのコネクタ
・国内で最もよく使用されている光コネクタの一つ
・FCコネクタから発展
・ハウジングはプラスチック製で、ワンタッチで着脱が簡単なプッシュオン形
●SC2コネクタ:SCコネクタの一部部品を取り除き、高密度実装を可能にしたコネクタ
●PC(physical contact)コネクタ:凸球面研磨されたコネクタ
・接続損失の要因となる反射を抑制するために、接続端面(フェルール端面)を凸球面状に研磨している
「PC研磨はフェルール端面を凸球面形状に研磨し、接続するファイバ端面同士を密着(Physical contact)させることによって接続点から空気層を無くし、屈折率不整合による反射戻り光を小さくする方法ですが、端面研磨時に生ずる加工変質層によって若干の反射が残ります。」
(参考)エイム電子株式会社 光関連
・反射と接続損失を低減するうえで効果的
・フェルール端面の研磨…PC研磨(多く用いられている)、反射を低減したアドバンスドPC研磨、斜めPC研磨
・単心用の光コネクタ=フェルールを内蔵したプラグ+スリーブを内蔵したアダプタ
一つのアダプタに両側からプラグが差し込まれ接続が完成する
(参考)光ファイバ接続工法の種類
・フェルールタイプのコネクタは、フェルールの中心に光ファイバ径よりわずかに大きい穴を有し、光ファイバをその穴の中に接着剤等で固定することにより、正確な位置精度を確保できる
〔光ケーブル接続工法の適用方法〕
1.基幹系(幹線系)ネットワーク
・接続損失を低減することで中継距離の長距離化を図るため、融着接続を適用している
・幹線系光ファイバケーブルには、一般的に光ファイバリボンが使用される
●光ファイバリボン:直径(0.25mm)に被覆された単心の光ファイバ心線をリボン状に横に一列に並べ、さらに一括して被覆したもの
・4心と8心の光ファイバリボンが一般に用いられている
2.アクセス系(配線系)ネットワーク
・心線の融通性、心線切替えの迅速性などを考慮し、極力コネクタ接続を適用している
・融着接続、コネクタ接続のほか、メカニカルスプライスによる接続が用いられる
→融着接続又はメカニカルスプライスを必要に応じて使い分けて適用することで、経済的な設備構成とする
メカニカルスプライスは、電源が不要であり、部品が小形、軽量で接続作業が短時間で行えるため、架空での作業に適している
(管路区間)片端:コネクタ接続、他片端:融着接続
・一般に無逓減配線方式を適用する場合は、後分岐接続工法を用いることを前提として、ケーブル接続箇所を少なくすることにより、長尺ケーブル布設を行うことが可能
ただし、サービス開始後に後分岐接続工法を多用することは、ケーブル解体時に現用回線への影響が懸念されるため、できるだけ必要なケーブル分岐点をあらかじめ決定し、クロージャなどを設置しておく
後分岐:建設工事後に、クロージャなどの接続部が無い箇所で分岐接続すること
「後分岐工事:新しいユーザーが付いたとき幹線ケーブルの最寄の場所にJ393を増設することにより引き込みケーブルを短尺化でき、布設コスト、ケーブル部材費の削減ができます。」
3.所外区間における光ファイバケーブルの接続
幹線系ルートで支障移転などによる心線切替えの迅速性及び保守性を勘案し、ルート上のすべての接続点においてMTコネクタ接続を適用している
「MU形光コネクタは、世界で最も多く使われているSC形光コネクタを基礎として1993年にNTTが開発した世界最小の単心系の高性能光コネクタであり、既にJISやIEC等の世界の標準化機関により規格化されております。
今後は、次世代光ネットワークの経済的かつ効率的な構築を加速するために、SC形光コネクタからMU形光コネクタに移行促進しながら全面的に導入していく予定です。
なお、多心系光コネクタについては、テープ心線の一括接続に用いられるMT(Mechanically Transferable)形光コネクタが開発導入されており、主として多心光ファイバケーブルの接続に広く用いられております。」
●FTM(光ファイバ成端モジュール)
・所内区間と所外区間の分界点としての機能を有している
・所外と所内の心線割り付け単位の違いに対しても、単心ジャンパリング機能により、設備の収容効率を向上させる役割も持っている
〔配線系光ファイバケーブルの構造〕
・幹線系光ファイバケーブルと同様、接続作業の効率化、ケーブルの細径化の観点から、一般に光ファイバリボンが採用されている
・外被は、ポリエチレンと押え巻きテープによって構成されている
・電柱に架設される配線系光ファイバケーブルから、ユーザ宅やユーザビルに必要な光ファイバ心線を引き込む場合、既に架設しているケーブルの途中から光ファイバテープ心線を取り出し分岐接続することが必要となる。このため現在は、スロットロッド構造を用いた配線系光ファイバケーブルの場合は、余長の取りやすいSZ撚りスロットロッド構造が主に採用されている。
・支持線部とケーブル部が一体の自己支持形構造のケーブルが主流となっているが、一般にケーブルの受ける風圧荷重を考慮して、ケーブル支持線とケーブルの接合部には、窓のある構造のものが用いられている
「塩害地域や雷が頻繁に発生する地域ではアルミ覆鋼より線が選定される。」
(参考)JFS メッセンジャーワイヤ
「弊社のメッセンジャーワイヤは、亜鉛アルミ合金めっき鋼より線で、自己支持型光ファイバーの支持ケーブルとして多く使用されています。」
〔光ケーブルの布設〕
・布設時の最大牽引張力は、ケーブルの許容張力のほかに、架空区間、管路区間、とう道区間などケーブル収容設備の状況などにより、制限を受ける場合がある
・光ケーブル牽引機を使用して布設する場合、光ケーブル用の特別な牽引用ロープが一般に使用されている
・ビル内配管への布設などにおいて、光ケーブルの許容張力の観点から、一度に光ケーブルを引けない場合、適切な区間で光ケーブルを引出し、再度そこから光ケーブルを繰り出し延線する。この場合、途中で仮に引出した光ケーブルは、一般に8の字にして整理するとともに、許容曲げ半径以下にならないようにする
・地下管路に布設する場合、既設の管路を有効に利用したいときに、既設の管路内にインナーパイプを複数本挿入することにより、多条布設する方法がある
(参考)イベントのご案内
「情報BOX50mm管路内に20mmインナーパイプを布設する事により、ケーブルの多条布設が可能となり、管路の有効活用に貢献します。」
・過度の張力による光ファイバの損傷を防ぐため、事前に布設張力を計算して、許容張力の範囲内で布設する必要がある
・日本で広く使用されているテープスロット構造の光ファイバケーブルの場合、許容曲率半径は、一般に施工時と比較して施工後の固定時の方が小さい
(参考)弱電計装用ケーブル
「<許容曲げ半径>
(1) 接続及び支持する場合の曲げ半径 : ケーブルを固定して長時間にわたって特性が保証できる曲げ半径
(2)布設時曲げ半径 : 布設中許容できる曲げ半径
接続及び支持する場合の曲げ半径:仕上がり外径の8 倍以上
布設時曲げ半径:仕上がり外径の20 倍以上」
(参考)住友電気工業株式会社 Optigate:基礎知識
「敷設中と敷設後で、最小曲げ半径は異なります。一般的に最小許容曲げ半径は、敷設中の場合で光ケーブル外径の20倍、敷設後は10倍となります。」
〔配線系光ファイバケーブルの外被接続技術〕
・架空用光クロージャの適用箇所
a 電柱に架設される架空光ファイバケーブル相互の接続箇所(接続点)
b 地下から電柱に立ち上げる引上げ光ファイバケーブルと架空光ファイバケーブルとの接続箇所(配線点)
c ユーザ宅に引き込むドロップ光ファイバケーブルと架空光ファイバケーブルとの接続箇所(アクセス点)
d ドロップ光ファイバケーブル相互の接続箇所(分配点)
・配線点用光クロージャは、配線点において、地下からの引上げ光ファイバケーブルと架空光ファイバケーブルの接続用のためだけに適用される光クロージャであり、架空配線方面別の切替えについては、地下用クロージャ内で切替えを行うため、最大40心の心線収納だけが行える少心タイプのものだけとなっている接続点用光クロージャは、架空光ファイバケーブルの最大200心が接続可能で、引き通しケーブルだけを収容できるが、分岐ケーブルについては収容できない構造となっている。このため分岐を行う必要がある場合は、電柱の上部側(設備センタ側)に分岐用光クロージャを取り付け、電柱の下部側(設備センタ側とは逆のケーブルエンド側)に分岐ケーブルとの接続点用クロージャを取り付ける必要がある
┌光ファイバ端面を加熱溶融し接続する融着接続
┌恒久的に接続する永久接続┤
光ファイバの接続方法┤ └メカニカルスプライス
└必要時に着脱可能な光コネクタによるコネクタ接続
●メカニカルスプライス:V溝などを形成した接続部品を用いて光ファイバ心線を機械的に把持する接続技術
:光ファイバの端面を突き合わせた状態で固定・把持して接続する方法
・電源や接着剤を用いずに簡単に接続できる
・表面に凹凸のない直線状の溝と押さえ板の間にできる空間に、光ファイバを沿わせて固定し、光ファイバの端面同士の間に屈折率整合剤を注入して接続する
・光ファイバの軸合わせは、光ファイバの外径を基準とするため、光ファイバのコアに偏心があると接続損失が大きくなる
(参考)1 1.(6) 用語の意味・定義
「・メカニカルスプライス:光ファイバの軸合わせ用部品、突き合わせ部の固定部品からなり、突き合わせ部を機械的に保持固定する方法」
(参考)光ファイバのメカニカルスプライス技術
「メカスプではファイバ突合せ部に屈折率整合剤を介在させて、光ファイバをV溝基板と押さえ基板で軸合わせして狭持し、両基板をクランプスプリングで把持します。」
●融着接続:対向させた光ファイバの端面を加熱溶融させ、一体化させること
┌固定V溝を使用してクラッド外径を合わせる方法
光ファイバの軸合わせ方法┤
└可動V溝を使用してコア軸を合わせる方法
・光コネクタ接続と比較して、接続点における接続損失を小さくできる
・光ファイバの溶融方法…アーク放電、レーザ光
接続の作業性、信頼性などの点からアーク放電を用いた方法が一般に行われている
・SM光ファイバを融着接続する場合、放電時間が長くなるとクラッド部の表面張力によって光ファイバ外径が一致してコア部にずれが生ずるため、接続損失が増大する
(防止策)ファイバの溶融領域をファイバ端面の狭い部分に集中し、外径整形時間を短くしてコア部の表面張力による外径一致を防ぐ
コア軸合せの放電時間<外径合せの放電時間
・コア偏心が比較的大きい初期のSM型光ファイバを、コア軸を調心して単心ごとに融着接続する場合、接続時の放電回数を2回以上実施することは長時間放電と同様な効果となるため、放電回数は1回とし、長時間放電にならないようにしながら作業する
・熱源として放電の利用が一般的であり、放電部分の熱分布を平坦化し、かつ、放電範囲を広げるための高周波放電技術が用いられている
〔融着接続の手順〕
①光ファイバの被覆除去
②光ファイバの切断
・光ファイバ端面における傾斜、欠け及び突起などの有無は接続損失に関係するので、ファイバ軸に直角でかつ平滑な端面で切断するためには、応力破断法の原理に基づく光ファイバ切断器が一般に用いられている
・光ファイバの切断は、融着機にて光ファイバ端面を溶かして接続することから、一般に
ッパ
ニッパでファイバ切断したら、切断面がグチャグチャになって融着どころでなくなるわな。③光ファイバの軸合わせ
ファイバは専用の光ファイバカッタを使うのじゃ。
・SM光ファイバはコア径が10μm以下と小さいため、融着接続時のコアの軸ずれを最小限に調整するために、コア直視法による調心法がある
●コア直視法:光ファイバの接続端末部に側面から平行光線を投射し、透過してきた光をTVカメラでキャッチし、シングルモード光ファイバのコアとクラッドの境界線を画像処理して両方のファイバのコア軸の軸ずれを最小化する方法
(参考)国立科学博物館-産業技術の歴史
「コア直視法とは、光ファイバに側方から平行光線を投射し屈折率分布に応じて透過した前方散乱光をTVカメラで捕らえ、画像処理でコア軸を高精度にキャッチする技術であり、光ファイバ接続技術の革新に顕著な役割を果たした。」
・外径合せでは、SM型光ファイバでコア偏心が大きい場合、接続損失は大きくなる
④光ファイバの融着
・光ファイバが2~8心程度のリボンファイバの融着接続の場合、接続時間を短くするために、同時に一括接続する多心一括融着接続機が用いられる。この融着接続機では、放電の電極棒間の電界がほぼ一様になる位置に多心ファイバの先端を並べて、同時に融着接続される
・光ファイバを構成する石英ガラスは、2,000℃に加熱すると軟化して水あめ状になるので、接続したい2本の光ファイバの両端を向かい合わせに設置し加熱して溶融状態になったところで両端を接続し、加熱を止めて冷却すれば2本の光ファイバは融着される
・融着接続には予加熱融着法が一般に使用されている
●予加熱融着法
・接続する直前に光ファイバの端面をわずかに溶かし、端面を整形することにより接続の成功率を高める
・予加熱時に光ファイバ端面を整形し、放電によって溶融するのは光ファイバ端面からごくわずかな部分に限定され、光ファイバそのものの構造には変化がない
4.5 スクリーニング試験
・融着接続後、光ファイバの融着接続部が機械的に完全に接続されているかを確認するため、融着接続部を補強する前に融着接続部を含む光ファイバ心線に一定の張力(応力)を加えるスクリーニング試験が行われている
(参考)JIS C 6841(光ファイバ心線融着接続方法)
「融着接続部のスクリーニング試験 光ファイバ心線に一定の荷重を、一定時間加えて引張試験を行う。」
(参考)http://www.tsuko.co.jp/pdffiles/no3.pdf
「このスクリーニング試験は光ファイバの融着接続の際にも実施され、強度不足の不完全な融着を破断させ除去します。」
⑤光ファイバ接続部の補強
・融着接続をした光ファイバ心線は、被覆が無く非常にもろいため、光学的、機械的劣化が生じない方法で補強をする必要がある
補強方法…熱収縮スリーブ法、ガラス繊維入りナイロン補強材で補強するモールド法
●光コネクタ接続:光ファイバの先端にあらかじめ取り付けられたコネクタを使用して光ファイバどうしを接続する方法
・融着接続と比較して接続が簡便
・光コネクタをあらかじめ光ファイバケーブルに装着しておけば、短時間に接続が可能
・光コネクタには、細くてフレキシブルな光ファイバを固定するため、フェルールが使われており、精密加工されたものやプラスチック加工された単心用、多心用のものがあり、その中で光ファイバを接着剤で固定している
フェルール:光ファイバを固定するとともに、コアの中心をコネクタの中心に設定するための部品
・光ファイバケーブルを用いた建物内の配線や、着脱可能な分界点を必要とする光ファイバコードの接続には、着脱自在な光コネクタが用いられる
・市内PECケーブルの心線接続には、PATコネクタが導入されている
・PATコネクタによる心線接続は、手ひねり接続に比較して接続信頼性が高く、専用の切替装置(CATSシステム)を使用することにより、無瞬断で心線切替えを行うことができる
〔コネクタ端面間の空隙によるフレネル反射の発生を軽減する方法〕
・フェルール端面を球面研磨することにより、フェルール端面同士を密着させる
・整合剤を用いる(着脱の都度塗布する必要がある)
●FCコネクタ
・ジルコニアフェルールを用いネジ締結する
●SCコネクタ:マルチモード光ファイバとシングルモード光ファイバのいずれにも使用できる無調心タイプのコネクタ
・国内で最もよく使用されている光コネクタの一つ
・FCコネクタから発展
・ハウジングはプラスチック製で、ワンタッチで着脱が簡単なプッシュオン形
●SC2コネクタ:SCコネクタの一部部品を取り除き、高密度実装を可能にしたコネクタ
●PC(physical contact)コネクタ:凸球面研磨されたコネクタ
・接続損失の要因となる反射を抑制するために、接続端面(フェルール端面)を凸球面状に研磨している
接続端面は直角が理想だが(コの字の感じね)直角に処理した場合、(処理したつもりなんだけど)接触する面がわずかに斜めになったりするすることがあり、きれいに両面が密着しないことがある。(参考)News Release 040303
そこで接続端面の中央部を少し膨らませたように処理してファイバ同士が中心線で確実に密着(接触)するようにするのじゃ。(だから凸ね)
よく本とかに「フェルール端面」とか書かれてるんだけど、接続端面じゃなくてフェルール端面(´・ω・)?
光ファイバケーブルをコネクタ接続により芯線接続を行った場合の接続損失のうち、最も影響の大きいものが軸ずれじゃ。
そこで、軸ずれ防止のためにフェルール形コネクタが多く使われておる。
このコネクタはその名のとおりフェルールというファイバを固定する部分があり、ここにファイバを接着剤で固定することで軸ずれを防いでおる。
現在、ほとんどこの工法なので、そう書いてあるのだろうと思う。
「PC研磨はフェルール端面を凸球面形状に研磨し、接続するファイバ端面同士を密着(Physical contact)させることによって接続点から空気層を無くし、屈折率不整合による反射戻り光を小さくする方法ですが、端面研磨時に生ずる加工変質層によって若干の反射が残ります。」
(参考)エイム電子株式会社 光関連
・反射と接続損失を低減するうえで効果的
・フェルール端面の研磨…PC研磨(多く用いられている)、反射を低減したアドバンスドPC研磨、斜めPC研磨
・単心用の光コネクタ=フェルールを内蔵したプラグ+スリーブを内蔵したアダプタ
一つのアダプタに両側からプラグが差し込まれ接続が完成する
(参考)光ファイバ接続工法の種類
・フェルールタイプのコネクタは、フェルールの中心に光ファイバ径よりわずかに大きい穴を有し、光ファイバをその穴の中に接着剤等で固定することにより、正確な位置精度を確保できる
〔光ケーブル接続工法の適用方法〕
1.基幹系(幹線系)ネットワーク
・接続損失を低減することで中継距離の長距離化を図るため、融着接続を適用している
・幹線系光ファイバケーブルには、一般的に光ファイバリボンが使用される
●光ファイバリボン:直径(0.25mm)に被覆された単心の光ファイバ心線をリボン状に横に一列に並べ、さらに一括して被覆したもの
・4心と8心の光ファイバリボンが一般に用いられている
2.アクセス系(配線系)ネットワーク
・心線の融通性、心線切替えの迅速性などを考慮し、極力コネクタ接続を適用している
・融着接続、コネクタ接続のほか、メカニカルスプライスによる接続が用いられる
→融着接続又はメカニカルスプライスを必要に応じて使い分けて適用することで、経済的な設備構成とする
メカニカルスプライスは、電源が不要であり、部品が小形、軽量で接続作業が短時間で行えるため、架空での作業に適している
(管路区間)片端:コネクタ接続、他片端:融着接続
・一般に無逓減配線方式を適用する場合は、後分岐接続工法を用いることを前提として、ケーブル接続箇所を少なくすることにより、長尺ケーブル布設を行うことが可能
ただし、サービス開始後に後分岐接続工法を多用することは、ケーブル解体時に現用回線への影響が懸念されるため、できるだけ必要なケーブル分岐点をあらかじめ決定し、クロージャなどを設置しておく
後分岐:建設工事後に、クロージャなどの接続部が無い箇所で分岐接続すること
あらかじめクロージャ設置したら、文はじめの後分岐工法と意味が反するのでは?と解釈しました。(参考)クロージャ・接続箱 : 接続材料・工事関連 : 情報通信カンパニー : 古河電工
後分岐工法の場合、接続余長はゼロに近いため、分岐側に送り込む作業は大変困難を伴います。予めクロージャをつけておくことにより、実際に分岐接続を行わずとも、接続余長が充分に確保されるというメリットがあります。
SZ撚りで心線余長が確保でき、長尺布設が可能な光ケーブルだから、後分岐が有効と考えていました、実際は接続余長が余りないのですね。
文はじめの「後分岐工法を前提として、ケーブル接続箇所を少なくする」という文と「クロージャなどを設置しておく(=接続箇所が多くなる)」ということは、お互いに言っていることが違いますよね??
3.所外区間における光ファイバケーブルの接続
幹線系ルートで支障移転などによる心線切替えの迅速性及び保守性を勘案し、
MTはメカニカルとにているが、これはコネクタを接着剤で固定してしまう。(参考)News Release 991130
ファイバの接続方法(材料)はMTとか融着とかあるが、幹線系はこれでなきゃだめだ、という規定はない。
クロージャでの接続は融着でもやっている。(現在もやっている合法的なやりかただ)
だから、「全ての」という箇所が違ってるんだよ。
MUコネクタはSCコネクタにかわる規格として登場しているがそもそも、SCコネクタは屋内用単芯ジャンパ線に使用している。
屋外柱上のクロージャの中で多芯テープを接続するコネクタではない。
MUコネクタの特許を持っているNTTがやるっていってるだけで、他の通信会社はやるなんて一言も言ってないわけだが、なぜMUコネクタが正解になるんだ?
「MU形光コネクタは、世界で最も多く使われているSC形光コネクタを基礎として1993年にNTTが開発した世界最小の単心系の高性能光コネクタであり、既にJISやIEC等の世界の標準化機関により規格化されております。
今後は、次世代光ネットワークの経済的かつ効率的な構築を加速するために、SC形光コネクタからMU形光コネクタに移行促進しながら全面的に導入していく予定です。
なお、多心系光コネクタについては、テープ心線の一括接続に用いられるMT(Mechanically Transferable)形光コネクタが開発導入されており、主として多心光ファイバケーブルの接続に広く用いられております。」
●FTM(光ファイバ成端モジュール)
・所内区間と所外区間の分界点としての機能を有している
・所外と所内の心線割り付け単位の違いに対しても、単心ジャンパリング機能により、設備の収容効率を向上させる役割も持っている
〔配線系光ファイバケーブルの構造〕
・幹線系光ファイバケーブルと同様、接続作業の効率化、ケーブルの細径化の観点から、一般に光ファイバリボンが採用されている
・外被は、ポリエチレンと押え巻きテープによって構成されている
・電柱に架設される配線系光ファイバケーブルから、ユーザ宅やユーザビルに必要な光ファイバ心線を引き込む場合、既に架設しているケーブルの途中から光ファイバテープ心線を取り出し分岐接続することが必要となる。このため現在は、スロットロッド構造を用いた配線系光ファイバケーブルの場合は、余長の取りやすいSZ撚りスロットロッド構造が主に採用されている。
・支持線部とケーブル部が一体の自己支持形構造のケーブルが主流となっているが、一般にケーブルの受ける風圧荷重を考慮して、ケーブル支持線とケーブルの接合部には、窓のある構造のものが用いられている
窓のあるのを使うんだろ。そうしないと風が抜けずにケーブルが振動する。・架空用としてメッセンジャーワイヤをもつ自己支持形ケーブルがあるが、海岸付近等で使用する塩害対策用のものは、メッセンジャーワイヤにアルミコーティングを使用している
●←支持線部
|←取り付け部分に窓を付けて風を逃がすようにします
◎←ケーブル部
つり線や支線の場合は、塩害地域にアルミ防食鋼より線を使うと書いてあるので自己支持形のメッセンジャワイヤでもそうなんでしょね。(参考)電力ケーブルの架空布設時のメッセンジャワイヤ選定方法
「塩害地域や雷が頻繁に発生する地域ではアルミ覆鋼より線が選定される。」
(参考)JFS メッセンジャーワイヤ
「弊社のメッセンジャーワイヤは、亜鉛アルミ合金めっき鋼より線で、自己支持型光ファイバーの支持ケーブルとして多く使用されています。」
〔光ケーブルの布設〕
・布設時の最大牽引張力は、ケーブルの許容張力のほかに、架空区間、管路区間、とう道区間などケーブル収容設備の状況などにより、制限を受ける場合がある
・光ケーブル牽引機を使用して布設する場合、光ケーブル用の特別な牽引用ロープが一般に使用されている
・ビル内配管への布設などにおいて、光ケーブルの許容張力の観点から、一度に光ケーブルを引けない場合、適切な区間で光ケーブルを引出し、再度そこから光ケーブルを繰り出し延線する。この場合、途中で仮に引出した光ケーブルは、一般に8の字にして整理するとともに、許容曲げ半径以下にならないようにする
・地下管路に布設する場合、既設の管路を有効に利用したいときに、既設の管路内にインナーパイプを複数本挿入することにより、多条布設する方法がある
(参考)イベントのご案内
「情報BOX50mm管路内に20mmインナーパイプを布設する事により、ケーブルの多条布設が可能となり、管路の有効活用に貢献します。」
・過度の張力による光ファイバの損傷を防ぐため、事前に布設張力を計算して、許容張力の範囲内で布設する必要がある
・日本で広く使用されているテープスロット構造の光ファイバケーブルの場合、許容曲率半径は、一般に施工時と比較して施工後の固定時の方が小さい
(参考)弱電計装用ケーブル
「<許容曲げ半径>
(1) 接続及び支持する場合の曲げ半径 : ケーブルを固定して長時間にわたって特性が保証できる曲げ半径
(2)布設時曲げ半径 : 布設中許容できる曲げ半径
接続及び支持する場合の曲げ半径:仕上がり外径の8 倍以上
布設時曲げ半径:仕上がり外径の20 倍以上」
(参考)住友電気工業株式会社 Optigate:基礎知識
「敷設中と敷設後で、最小曲げ半径は異なります。一般的に最小許容曲げ半径は、敷設中の場合で光ケーブル外径の20倍、敷設後は10倍となります。」
〔配線系光ファイバケーブルの外被接続技術〕
・架空用光クロージャの適用箇所
a 電柱に架設される架空光ファイバケーブル相互の接続箇所(接続点)
b 地下から電柱に立ち上げる引上げ光ファイバケーブルと架空光ファイバケーブルとの接続箇所(配線点)
c ユーザ宅に引き込むドロップ光ファイバケーブルと架空光ファイバケーブルとの接続箇所(アクセス点)
d ドロップ光ファイバケーブル相互の接続箇所(分配点)
・
上部の配線点からくるケーブルを接続する際にももちろん使用される。・
近年は光加入者を経済的に収容できるように少心タイプのクロージャも使用されている。
そもそも接続点で複数方面へ架空ケーブルが分岐される。設問文によれば、分岐するためには分岐用光クロージャ+接続用クロージャの構成が必要になり接続点の増加につながる。通常、配線点用光クロージャ内で各方面への架空ケーブルにドロップする施工方法が採用されているはず。
by 9denki
| 2006-05-07 09:46
| 通信線路